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Linux技術トレーニング 基本管理コース II第7章 各種サーバ機能の設定5.メールサーバー5-1.メールサーバーの構築
MTA(Mail Transport Agent)の概要
Mail Transport Agent(MTA)とは、インターネット上で、ホスト間や企業間などのメールの配送を受け持つアプリケーションです。このMTAに対して、実際にクライアント上でメールの読み書きを行うアプリケーションはMUAと呼ばれます。インターネットのメールシステムではこのクライアント(MUA)とサーバー(MTA)が連携して電子メールシステムを構成しています。 MTAの種類
Postfix と sendmail など、同じ役割を持つMTA(Mail Transport Agent)を2種類以上インストールした場合、Mail Transport Agent Switcherを利用して、postfixとsendmailのうち、どちらか一方をMTAとして利用するように設定を行う必要があります。 5-2.Postfixの設定
Postfixの起動と停止
Postfix の起動スクリプトは、/etc/rc.d/init.d/postfix です。起動スクリプトのオプションでは、起動(start)、停止(stop)、再起動(restart)、設定変更の反映(reload)、現在の状況を確認(status)を指定できます。 Postfix の設定を変更した場合、その変更内容は reload を実行するか、再起動するまで有効とはなりません。 Postfixの設定インターネット上にPostfixを動作させてメールサーバーとして設置する場合、最低限main.cf ファイル の次の項目を修正する必要があります。 myhostname = mail.example.com mydomain = example.com myorigin = $mydomain inet_interfaces = localhost, 192.168.1.1 mydestination = $myhostname, localhost.$mydomain, $mydomain mynetworks = 192.168.1.0/24, 127.0.0.1/8
PostfixでのSMTPAUTHの利用 インターネットメールサーバーを公開するにあたり、SPAMメールなどの不正中継対策は必須です。SMTPAUTHは、認証されたホストからのメールのみリレーを許可することで、送信元アドレスを偽った不正中継の踏み台になることを防ぎます。 /etc/postfix/main.cfに次の行を追加します。smtpd_sasl_auth_enable = yes smtpd_sasl_security_options = noanonymous smtpd_sasl_local_domain = $myhostname broken_sasl_auth_clients = yes smtpd_recipient_restrictions = permit_mynetworks, permit_sasl_authenticated, check_relay_domainsユーザーとパスワードを登録したデーターベースファイル/etc/sasldb2を作成します。 # /usr/sbin/saslpasswd2 -c -u `postconf -h myhostname` exampleuser Password: <--exampleuserのパスワードを入力します。 Again (for verification): <--exampleuserのパスワードをもう一度入力します。上で作成した/etc/sasldb2ファイルのパーミッションを変更します。 # /bin/chgrp postfix /etc/sasldb2 # /bin/chmod g+r /etc/sasldb2以上でPostfixの設定は終わりです。Postfixを再起動してください。 設定の確認は、TelnetでPostfixへ接続して行います。 $ /usr/kerberos/bin/telnet localhost 25 <-ポート25へTelnet接続します。 Trying 127.0.0.1... Connected to localhost.localdomain (127.0.0.1). Escape character is ‘^]’. 220 dhcp-0167.miraclelinux.com ESMTP Postfix ehlo localhost <-「ehlo localhost」と入力します。 <<中略>> 250-AUTH PLAIN LOGIN GSSAPI DIGEST-MD5 CRAM-MD5 <-この行が表示されることを確認します。 5-3.sendmail
sendmailの起動と停止
sendmail の起動スクリプトは、/etc/rc.d/init.d/sendmail です。起動スクリプトのオプションでは、起動(start)、停止(stop)、再起動(restart)、または現在の状況を確認(status)を指定できます。sendmail の設定を変更した場合、その変更内容は sendmail を再起動するまで有効とはなりません。設定を変更した場合、sendmail を再起動させる必要があります。 sendmailの設定
sendmail の設定は /etc/mail/sendmail.cf 内にて行われます。この設定ファイルはインストール時に自動的に配置されますが、運用形態に合わせて設定するべきです。 |