|
||||
Linux技術トレーニング 基本管理コース II第2章 ディスク管理〜上級
ディスク管理の基礎については、Linux技術トレーニング 基本管理コース I 「第3章 ディスク管理とファイルシステム」で扱っています。具体的には、デバイスファイル、パーティション、ファイルシステムなどを説明しています。基本編の内容だけで十分に運用に対応できます。
しかし、さらに上級の機能を用いることで、パフォーマンスを向上させたり、信頼性を高めたり、管理を容易にすることが可能になります。この章では上級の機能として以下の内容を学習します。
1.RAWデバイス1-1. RAWデバイスについて
RAWデバイス
通常のファイルシステムでは、ディスクに対するI/O処理の際に、カーネル内部のページキャッシュと呼ばれるキャッシュにいったんデータをコピーしてから、ページキャッシュ内のデータをI/Oします。ページキャッシュにいったんデータをコピーしておくことで、読み込み要求に対しては同じデータを何度もディスクから読み込む必要がなくなり、書き込みに対しては実際のディスクに対する書き込みを遅延させることができます。一般にディスクに対する物理的なI/Oがコンピュータ処理の中ではスピードの遅い部分なので、ページキャッシュを経由するI/Oを行うことにより、物理的なI/Oを低減しコンピュータのパフォーマンスを向上させることに役立ちます。 しかし、オラクルなどの商用データベースサーバーなどでは、データベース内のメモリ管理システムで、I/Oをバッファ管理してます。したがってデータベースシステムとカーネルの両方でI/Oをメモリ上でバッファ管理を行うことになり、オーバーヘッドが発生します。
RAWデバイスは、ページキャッシュを経由しないI/Oを行うので、データベースサーバーを構築する場合などは、RAWデバイスを用いることによりI/Oを2重にバッファ管理するオーバーヘッドを防ぐことができ、パフォーマンス向上に役立ちます。 1-2. RAWデバイスの作成
RAWデバイスの作成
RAWデバイスの作成については以下の手順で可能です。
# /usr/bin/raw /dev/raw/raw1 /dev/sdd1 # /usr/bin/raw /dev/raw/raw2 /dev/sdd2/etc/sysconfig/rawdevicesファイルを設定 システム起動時に自動的にRAWデバイスをバインドするためには、etc/sysconfig/rawdevicesファイルへの設定が必要です。例えば以下のように設定します。 /dev/raw/raw1 /dev/sdd1 /dev/raw/raw2 /dev/sdd2 これにより、システム起動時にRAWデバイス用の起動スクリプト(rawdevices)が実行されて、RAWデバイスがバインドされます。ただし、起動スクリプトが実行されない設定になっている場合もあるので/sbin/chkconfigコマンドで起動スクリプトが起動時に実行されることを確認してください。 # /sbin/chkconfig ?list | grep rawdevices rawdevices 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off rawdevicesのランレベル3〜5が通常はonになっています。もし、onになっていない場合は、chkconfig で on に設定します。 # /sbin/chkconfig rawdevices on
(注意点) |