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Linux技術トレーニング 基本管理コース II

第2章 ディスク管理〜上級

  1. RAWデバイス
  2. ソフトウェアRAID
  3. LVM(Logical Volume Manager)
    3-1.LVM(Logical Volume Manager)
     (1)LVMについて
     (2)物理ボリュームの作成
     (3)ボリュームグループの作成
     (4)論理ボリュームの作成・利用
     (5)スナップショット
     (6)LVMディスクの追加
     (7)LVMディスクの交換
     (8)LVMディスクの開放

ディスク管理の基礎については、Linux技術トレーニング 基本管理コース I 「第3章 ディスク管理とファイルシステム」で扱っています。具体的には、デバイスファイル、パーティション、ファイルシステムなどを説明しています。基本編の内容だけで十分に運用に対応できます。
しかし、さらに上級の機能を用いることで、パフォーマンスを向上させたり、信頼性を高めたり、管理を容易にすることが可能になります。この章では上級の機能として以下の内容を学習します。
  • RAWデバイス
    データベースサーバーなどを構築している場合、I/Oバッファ管理のオーバーヘッドを低減でき、パフォーマンス向上に役立ちます。
  • ソフトウェアRAID
    RAIDコントローラーなどの特別なハードウェアを用いずに、安価なディスクを組み合わせて、信頼性の高い大容量ディスクアレイを構成できます。
  • LVM(Logical Volume Manager)
    論理ボリュームを提供し、物理的なディスクの存在を隠蔽することで、デバイス管理の柔軟性を向上させることができます。
1.RAWデバイス
1-1. RAWデバイスについて
  • カーネル内部のページキャッシュを経由しないI/Oを行うデバイス
  • 商用データベースなどでI/Oのバッファ管理を行っている場合、2重にバッファ管理するオーバーヘッドを防ぐことができ、パフォーマンスが向上する。

RAWデバイス

通常のファイルシステムでは、ディスクに対するI/O処理の際に、カーネル内部のページキャッシュと呼ばれるキャッシュにいったんデータをコピーしてから、ページキャッシュ内のデータをI/Oします。ページキャッシュにいったんデータをコピーしておくことで、読み込み要求に対しては同じデータを何度もディスクから読み込む必要がなくなり、書き込みに対しては実際のディスクに対する書き込みを遅延させることができます。一般にディスクに対する物理的なI/Oがコンピュータ処理の中ではスピードの遅い部分なので、ページキャッシュを経由するI/Oを行うことにより、物理的なI/Oを低減しコンピュータのパフォーマンスを向上させることに役立ちます。

しかし、オラクルなどの商用データベースサーバーなどでは、データベース内のメモリ管理システムで、I/Oをバッファ管理してます。したがってデータベースシステムとカーネルの両方でI/Oをメモリ上でバッファ管理を行うことになり、オーバーヘッドが発生します。

RAWデバイスは、ページキャッシュを経由しないI/Oを行うので、データベースサーバーを構築する場合などは、RAWデバイスを用いることによりI/Oを2重にバッファ管理するオーバーヘッドを防ぐことができ、パフォーマンス向上に役立ちます。
ただし、RAWデバイスはファイルシステムよりも管理の柔軟性に欠けるのでメリット・デメリットをよく見極める必要があります。


1-2. RAWデバイスの作成
  • RAWデバイスは以下の手順で作成する
    • RAWデバイス用のパーティションを作成する
    • そのパーティションをRAWデバイスにバインド
    • システム起動時に自動的にバインドするために/etc/sysconfig/rawdevicesファイルを設定

RAWデバイスの作成

RAWデバイスの作成については以下の手順で可能です。

・RAWデバイス用のパーティションの作成
パーティションの作成については、/sbin/fdiskコマンドのオンラインマニュアルを参照してください。なおRAWデバイスとして使用するパーティションにファイルシステムを作成してはいけません。作成した場合は、RAWデバイスの内容に不整合が発生する可能性があります。
・対象パーティションをRAWデバイスにバインド
ここでは、/dev/sdd1〜/dev/sdd2までのパーティションがRAWデバイス用に作成されているとします。これをそれぞれ、/dev/raw/raw1〜/dev/raw/raw2のRAWデバイスとして使用するためには以下のように/usr/bin/rawコマンドでバインド処理をします。
# /usr/bin/raw /dev/raw/raw1  /dev/sdd1
# /usr/bin/raw /dev/raw/raw2  /dev/sdd2
/etc/sysconfig/rawdevicesファイルを設定

システム起動時に自動的にRAWデバイスをバインドするためには、etc/sysconfig/rawdevicesファイルへの設定が必要です。例えば以下のように設定します。

/dev/raw/raw1   /dev/sdd1
/dev/raw/raw2   /dev/sdd2

これにより、システム起動時にRAWデバイス用の起動スクリプト(rawdevices)が実行されて、RAWデバイスがバインドされます。ただし、起動スクリプトが実行されない設定になっている場合もあるので/sbin/chkconfigコマンドで起動スクリプトが起動時に実行されることを確認してください。

# /sbin/chkconfig ?list | grep rawdevices
rawdevices  0:off  1:off  2:off  3:on  4:on  5:on  6:off

rawdevicesのランレベル3〜5が通常はonになっています。もし、onになっていない場合は、chkconfig で on に設定します。

# /sbin/chkconfig  rawdevices  on

(注意点)
RAWデバイスはファイルシステムではないので、通常のファイルシステムのようにファイルを作成したり削除するといった操作はできません。


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