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Linux技術トレーニング 基本管理コース II

第7章 各種サーバ機能の設定


3.Sambaサーバー
3-1.Sambaサーバーの概要
  • Windows互換のファイル/プリントサーバーソフトウェア
  • Sambaに必要なパッケージをインストール
  • Sambaの起動
    # /sbin/service smb start
  • Sambaの停止
    # /sbin/service stop

Sambaの概要

SambaはWindows系OSとUNIXを統合化して利用できるオープンソースソフトウェアです。Sambaを使用することで、LinuxなどのUNIX系のサーバーを、Windowsと共に利用することが可能になり、安価にファイルサーバーやプリントサーバーを構築できます。また、Sambaに備えられたクライアント機能を活用することで、Linux側からWindowsのリソースを利用したり、管理操作を行うことも可能です。

Sambaのインストール

Sambaに必要なパッケージをインストールします。
また、これらのパッケージをインストールするために、あらかじめopenldapパッケージやkrb5-libsパッケージが必要となります。

パッケージ名 解説
Samba Sambaの中心を担うsmbdやnmbdといったデーモンが含まれます。ファイルサーバーなどのサーバー機能を提供するときに必ず必要になります。
Samba-common Sambaの管理を行うコマンドや、他のアプリケーションのためのライブラリを含みます。Sambaを利用する場合には必ず必要になります。
Samba-client Sambaの機能を活用して、Windowsサーバーや他のSambaサーバーに対して操作を行うことができます。
Samba-swat Sambaの設定をウェブ経由で行うSWAT(Samba Web Administration Tool)を利用するときに必要となります。
Smbldap-tools Sambaのユーザー情報をLDAPサーバーに格納して運用するときに、ユーザー管理のために利用します。smbldap-toolsパッケージをインストールする前に、あらかじめperl-ldapパッケージがインストールされていなければなりません。

これらのパッケージがインストールされていることをrpmで前もって確認しておいてください。

# /bin/rpm -qa | grep samba
samba-common-3.0.2a-9AX
samba-swat-3.0.2a-9AX
samba-client-3.0.2a-9AX
samba-3.0.2a-9AX
# /bin/rpm -qa | grep smbldap-tools
smbldap-tools-0.8.2-9AX
Sambaの起動と停止

起動スクリプトのオプションでは、起動(start)、停止(stop)、再起動(restart)、または現在の状態を確認(status)を指定できます。Sambaの設定を変更した場合は、変更を反映させるために、必ずSambaを再起動する必要があります。

Sambaの再起動
# /sbin/service smb restart

3-2.Sambaサーバーの管理者
  • Sambaサーバーを利用するために、Samba用のユーザー
    アカウントが必要
  • 次の順序でSamba用のユーザアカウントを作成
    1. Linuxのグループアカウントの作成
    2. Linuxのユーザーアカウントの作成
    3. Sambaのユーザーアカウントの作成

Linuxのグループアカウント作成

ユーザーは必ず1つ以上のグループに属します。ファイルの操作権限などは、グループ単位での設定を行うことが多いので、アクセス管理の観点からも、グループ単位でユーザーを管理することを推奨します。そこで、まずはLinuxのグループアカウントを作成します。
下記の例は、GID(グループID)を20001番のグループprojectを作成しています。

# /usr/sbin/groupadd -g 20001 project
Linuxのユーザーアカウントの作成

グループアカウントの作成を終えたら、次に、そのグループに所属するユーザーを作成します。次の実行例は、UID(ユーザーID)が20101番で、projectグループに所属するユーザーtanakaを作成しています。

# /usr/sbin/useradd -u 20101 -g project tanaka
Sambaのユーザーアカウントの作成

Linuxのユーザーアカウントが作成できたら、pdbeditでSambaのユーザーアカウントを作成します。ユーザー情報を新規に作成するときは、-aオプションを指定します。pdbeditを実行するとSamba用のパスワードの入力が求められるので、パスワードを入力してください。

# /usr/bin/pdbedit -a tanaka
new password:
retype new password:
Unix username:        tanaka
NT username:
Account Flags:        [U   ] 
User SID:             S-1-5-21-1722631489-2624286973-3194339827-41202
Primary Group SID:    S-1-5-21-1722631489-2624286973-3194339827-41003
Full Name:
Home Directory:       \\miraclelinux\tanaka
HomeDir Drive:
Logon Script:
Profile Path:          \\miraclelinux\tanaka\profile
Domain: MIRACLELINUX
Account desc:
Workstations:
Munged dial:
Logon time: 
Logoff time:            Sat, 14 Dec 1901 05:45:51 GMT
Kickoff time:           Sat, 14 Dec 1901 05:45:51 GMT
Password last set:      Tue, 16 Aug 2005 00:48:29 GMT
Password can change:    Tue, 16 Aug 2005 00:48:29 GMT
Password must change:   Sat, 14 Dec 1901 05:45:51 GMT
Last bad password :     0
Bad password count :    0
Logon hours :           FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF
パスワードの管理

ユーザーのパスワード設定、変更はsmbpasswdで行います。root管理者のみがユーザー名を指定して他のユーザーのパスワード変更を行うことができます。


3-3.Sambaサーバーの基本設定
  • smb.confファイルで設定
    • smb.confファイルをエディタを利用して直接変更する方法
    • SWAT(Samba Web Administration Tool :Sambaウェブ管理ツール)を用いて変更する方法 (後述)
  • smb.confファイルは/etc/sambaの配下に作成される
    (デフォルト)
  • smb.confファイルはいくかのセクションで構成
    [grobal]セクション、[homes]セクション等

smb.confファイル
[global] 
 unix charset = EUCJP-MS       ⇒
 dos charset = CP932           ⇒文字コード関連パラメータ
 display charset = EUCJP-MS    ⇒  charsetにはEUC_JPやSJISを指定することもできますが、
 workgroup = WORKGROUP             これらのパラメータを指定した場合、適切に扱えない文字
 server string = Samba Server      があるため、必ずEUCJP_MSやCP932を指定してください。
 dos filetimes = Yes
 dos filetime resolution = Yes
 security = user 
[homes] 
 read only = No
 browseable = No 
[printers] 
 comment = All Printers
 path = /var/spool/samba
 print ok = Yes
 browseable = No
[public] 
 comment = Public Space; anyone can write any files
 path = /var/samba/public
 guest ok = Yes
 read only = No
 force group = public
 force create mode = 0666
 force directory mode = 0777
[global]セクション

[global]セクションは、smb.confファイルの先頭に記述し、Samba全体の設定を行います。

[global]セクションの主な設定項目
項目 説明
workgroup Sambaサーバーが所属するドメイン名、もしくはワークグループ名を設定します。インストール直後の既定値はMYGROUPです。
netbios name Sambaサーバーのコンピュータ名を設定します。何も設定しない場合、コンピュータ名としてSambaサーバーのホスト名が使われます。
server string Sambaサーバーに関する説明を記述します。この値はWindowsクライアントの「マイネットワーク」で見た場合に、コンピュータのコメントとして表示される文字列になります。既定値は「Samba Server」です。
passdb backend Sambaサーバーのユーザー管理データベースを指定します。既定値はsmbpasswdです。
security Sambaには5つのセキュリティモードがあり、ユーザー認証の方法がこのモードの設定によって切り替わります。securityパラメータに何も指定しない場合、規定値はuserです。

[global]セクションのsecurityパラメータに指定する値
パラメータ 説明
user ユーザー単位で認証を行います。認証はSambaサーバーが行うので、ユーザーは事前にSambaサーバーに登録されている必要があります。
server 動作モードはuserと同じですが、ユーザー認証をpassword serverパラメータに指定された別のサーバーに依頼します。認証に失敗した場合のみ、userモードと同様にSambaサーバーのユーザー情報を使って認証を行います。
domain Sambaサーバーを既存のWindowsドメインのメンバーサーバーとして設定する場合に指定します。したがって、ユーザー認証はドメインコントローラで行います。Sambaサーバーにアクセスするユーザーはそのドメインのユーザーとして登録されている必要があります。
ads Sambaサーバーを既存のActive Directoryドメインのメンバーサーバーとして設定する場合に指定します。ユーザー認証はActive Directoryドメインのドメインコントローラで行います。SambaサーバーにアクセスするユーザーはActive Directoryドメインに登録されている必要があります。
share 共有に接続するたびにユーザー認証が行われます。Win9xと同様で共有単位にパスワードを指定できる方法です。


3-4.SWATの設定
  • Sambaの設定をブラウザ上のGUIを使用して管理できる
  • samba-swatパッケージが必要
  • SWATを使用する場合は、SWATの起動/xinetdの起動を実施

SWATの設定

SWATを利用するためには、samba-swatパッケージが必要となります。あらかじめrpmでsamba-swatパッケージがインストールされていることを確認してください。
また、SWATを日本語で適切に利用するために、3-3.Sambaサーバーの基本設定「[global]セクション」で説明した文字コードパラメータの設定を、あらかじめ/etc/samba/smb.confに指定しておいてください。SWATはxinetd経由で起動され、設定ファイルは/etc/xinetd.d/swatとなります。

SWATの起動
# /sbin/chkconfig swat on

このコマンドによって、/etc/xinetd.d/swatのdisableパラメータが「no」に変更されて、SWATの起動 が有効になります。変更をxinetdに反映するために、xinetdの設定ファイルを再読み込みしてください。

# /sbin/service xinetd reload

xinetdが起動していない場合には、xinetdを起動してください。

# /sbin/service xinetd start

SWATによる各種設定
  • SWATへの接続
    • http://SambaサーバーのIPアドレス:901
  • SWATによる各種操作
    • HOME
    • GLOBALS
    • SHARES
    • PRINTERS
    • WIZARD
    • STATUS
    • VIEW
    • PASSWORD

SWATの接続

SWATへの接続には、「http://SambaサーバーのIPアドレス:901」を入力します。
SWATでは、901番ポートが利用されます。SWATの設定が適切に行われていれば、下 図のようにユーザー認証の画面が表示されます。

ユーザー認証の画面

Sambaの設定を行う場合には、rootユーザーでログインする必要がありますので、ユーザー名に「root」、パスワードとしてrootのパスワードを入力してください。認証に成功すると以下の図に示すようなSWATのトップページが表示されます。

SWATによる各種設定

SWATのトップページ
SWATのトップページ

トップページのアイコンでそれぞれの操作をおこなうことができます。

アイコン名 操作内容
HOME SWATのトップページです。各種コマンドのリファレンスや、HowToドキュメントへのリンクがあります。
GLOBALS [global]セクションのパラメータを設定できます。
SHARES ファイル共有の設定を行うことができます。
PRINTERS プリンタ共有の設定を行うことができます。
WIZARD ウィザード形式で、Sambaの基本設定を行うことができます。
STATUS Sambaの動作状況の確認や、Sambaサーバーの起動・停止を行うことができます。Sambaサーバーに接続中のユーザーの情報を確認することもできます。
VIEW Sambaの設定ファイル(/etc/samba/smb.conf)の内容を確認できます。
PASSWORD ユーザーのパスワードの設定や、ユーザーの追加を行うことができます。


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