平成27年(2015年)7月1日に挿入されるうるう秒について

 ■平成27(2015) 71日に挿入されるうるう秒について

 

[本ドキュメントの対象となる製品]

Asianux Server 4 for x86 (32bit)

Asianux Server 4 for x86_64 (64bit)

 

[概要]

 

平成27(2015) 7 1 () に「うるう秒」による時刻の調整が行われます。

本ドキュメントでは、うるう秒が挿入される際の Asianux Server 4 == MIRACLE LINUX V6 (以降 Asianux Server 4) 上での動作について説明します。

 

[詳細]

 

日本標準時の平成27(2015) 7 1 () に「うるう秒」の調整が行われ、午前 8 59 59 秒と午前 9 00 00 秒の間に 「8 59 60 秒」が挿入されます。

 

お使いのソフトウェア等によって要件が異なりますので、以下の情報を参考に適切な対応をご検討ください。

 

NTP を使用している場合

上位の NTP サーバがうるう秒をサポートしている場合、うるう秒の調整に関する情報 (Leap Indicator) を上位の NTP サーバから受信することで、調整が行われます。

 

ntpd step モードで起動している場合

うるう秒が挿入されるタイミングで、協定世界時 (UTC) の 2015 年 6 月 30 日 23 時 59 分 59 秒のあと、さらに 23 時 59 分 59 秒を一回繰り返します。

 

注意事項 

○ OS のカーネルのバージョンが kernel-2.6.32-279.5.2.el6 未満の場合、以下の不具合が生じる可能性があります。

・ NMI Watchdog がハングを検知することでシステムが定期的にクラッシュする不具合

・ うるう秒挿入時に CPU が高負荷になる不具合

 

 以下のバージョン以降のカーネルにアップデートしてください。

kernel-2.6.32-279.14.1.el6 (上記不具合を修正したバージョン)

https://tsn.miraclelinux.com/tsn_local/index.php?m=errata&a=detail&eid=2613

kernel-2.6.32-504.8.1.el6 (2015/03/17現在リリースしている最新のカーネルバージョン)

https://tsn.miraclelinux.com/tsn_local/index.php?m=errata&a=detail&eid=4284

○ うるう秒の前後で時刻の遡りが発生し、お使いのソフトウェアによっては問題が発生するおそれがあります。

 

ntpd slew モードで起動している場合

うるう秒が挿入された後、ずれを補正するために単位時間あたりに進む時刻を調整し、徐々に同期します。

 

注意事項 

ntp-4.2.6 系のバージョンでは slew モードで動作しているときにうるう秒が発生した場合、システムクロックが即座に変更されるという不具合があります。以下のバージョンのパッケージでこの不具合は修正されています。

 

ntp-4.2.6p5-3.0.1.AXS4

 

○ 時刻の補正に時間がかかります。

 他のシステム、または日本標準時との間で最大1秒程度のずれが生じます。

 

NTP を使用していない場合

NTP を使用していない場合は、設定するタイムゾーンにより動作が異なります。

 

● Asia/Tokyo タイムゾーンを使用する場合

Asia/Tokyo タイムゾーンでは、うるう秒の調整は行われず、うるう秒が挿入された後に標準時と1秒の差が生じます。手動で時刻を補正する必要があります。

 

注意事項

時刻の設定時に時刻の遡りが発生し、お使いのソフトウェアによっては問題が発生するおそれがあります。

 
● right/Asia/Tokyo タイムゾーンを使用する場合

tzdata をアップデートし、タイムゾーンを right/Asia/Tokyo に設定することでうるう秒に対応が可能です。対応したパッケージは以下より取得できます。

  

tzdata-2015a-1.0.2.AXS4

https://tsn.miraclelinux.com/tsn_local/index.php?m=errata&a=detail&eid=4298

 

参考情報

以下に Asianux Server 4 でタイムゾーンを right/Asia/Tokyo に変更する例を示します。

 

1. /etc/sysconfig/clock ファイルの ZONE を次のように変更します。

# vi /etc/sysconfig/clock

ZONE=”right/Asia/Tokyo”

2. /etc/sysconfig/clock ZONE を変更したあとに /etc/localtime ファイルを削除し、ZONE と一致したファイルをコピーします。

 

# rm -rfv /etc/localtime

# cp -rfva /usr/share/zoneinfo/right/Asia/Tokyo /etc/localtime

# chmod 644 /etc/localtime

3. システムクロックを確認します。zdump コマンドと date コマンドの結果がほぼ同じ時刻であれば、設定が反映されています。

# zdump right/Asia/Tokyo

# date

4. ハードウェアクロックに反映する場合は、システムを再起動するか、以下のコマンドを実行します。

# hwclock


注意事項

○ タイムゾーンとして right/Asia/Tokyo を設定することで、いわゆる UNIX 時刻と、協定世界時 (UTC)や 日本標準時(JST)等ローカル時刻との関係が変更され、相互変換時にうるう秒が考慮されます。これによって、お使いのソフトウェアによっては問題が発生するおそれがあります。

 

[参照 URL]

総務省 「うるう秒」挿入のお知らせ

平成24年(2012年)71日に挿入されるうるう秒について

 

[注意事項]

本ドキュメントは、各ソフトウェア開発元の情報およびマニュアル等を元にした参考情報です。

本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。

本ドキュメントは、限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、全ての環境での動作を保証するものではありません。

本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、運用を行ったことにより損害が生じた場合でも、弊社はその損害についての責任を負いません。あくまでお客様のご判断にてご使用ください。

 

[更新履歴]
 

20150331NTPパッケージの不具合に関する情報を追記

20150317日 新規作成