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Linux技術トレーニング 基本管理コース II第3章 バックアップ/ リストア2. dumpとrestore2-1. dumpによるバックアップ対象
dumpによるバックアップ対象の選択
バックアップをするファイルシステムの選択には/etc/fstabが使用されます。fstabの第5フィールドが「1」となっているファイルシステムがバックアップの対象となります。ただし「/」ファイルシステムは該当しません。 LABEL=/ / ext3 defaults 1 1 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2 LABEL=/home /home ext3 defaults 1 2 /dev/sdb1 swap swap defaults 0 0 /dev/cdrom /mnt/cdrom udf,iso9660 noauto,owner,kudzu,ro 0 0 またdumpコマンドは、バックアップ対象のファイルシステムがext2またはext3でなければ理解できません。つまりdumpコマンドでは、ReiserFSなどのファイルシステムはサポートされていません。 2-2. dumpの使用方法
dumpコマンドの主なオプション
# /bin/rm /etc/dumpdates; touch /etc/dumpdates Linuxの場合、1ブロックは1KBです。 通常圧縮レベルを-z9のように空白を開けずに指定しますが、指定がない場合には、圧縮レベルは2になります(数字が大きいほうが圧縮率が高くなりますが、その分CPU使用率が高くなったり処理時間が長くなったりします)。 2-3. dumpでの差分バックアップ
# /sbin/dump -2u -z9 -b 20 -f /dev/nst0 /homeダンプレベル1と2の間に更新されたファイルだけをバックアップ
dumpでの差分バックアップ
dumpでの差分バックアップは、フルバックアップを取得した後に実行可能となります。あるダンプレベルが指定されると、それより小さい数のダンプレベルでdump が実行された時刻より後に更新されたファイルだけをバックアップの対象にします。
# /sbin/dump -1u -z9 -b 20 -f /dev/nst0 /home上記の例のようにレベル1を続けていけば、累積増分バックアップとなる 【注意】 差分バックアップをテープなどのメディアに取る際には/dev/st*では上書きしてしまうので、/dev/nst*で追記することを忘れないように注意が必要です。また、/home/hogeのようなサブディレクトリのみの差分バックアップは、/etc/dumpdatesに記述されていないので取得できません。 2-4. リストア方法(restore)
# /sbin/restore -r -f /dev/nst0主なオプション (-r、-i、-x、-tはどれか1つを指定)
restoreコマンドの使用方法
dumpコマンドで取得したバックアップはrestoreコマンドでリストアします。restoreコマンドはroot権限で実行します。 オプション-i の対話モードでは、次のようなプロンプトが出ます。 # restore>この状態で、次のコマンドを使用して展開するファイルを選択、展開を実行します。
2-5. リストアする際のテープ操作
差分バックアップを取得する時のテープ操作
# /sbin/restore -r -f /dev/nst0 -s 3
テープ操作
差分バックアップを取得している際、テープの操作が必要になります。方法はrestoreの-sオプションを使用する方法と、mtコマンドでテープの位置を指定する方法の2種類があり、restoreコマンドは両方使用することが可能です。
# /sbin/restore -r -f /dev/nst0 -s 3 この方法はrestoreコマンドだけではなく、afioコマンドやtarコマンドでのリストア でも使用する方法です。mtコマンドで現在の位置から何番目のEOFに移動す るかを指定します。 mtコマンドのオプションには、次のようなものがあります。 # /bin/mt -f /dev/nst0 status ―― テープのステータスを表示 # /bin/mt -f /dev/nst0 rewind ―― テープの先頭の位置に戻す # /bin/mt -f /dev/nst0 offline ―― テープをイジェクトする # /bin/mt -f /dev/nst0 fsf n ―― n番目のEOFまでテープを先送りする # /bin/mt -f /dev/nst0 bsf n ―― n番目のEOFまでテープを巻き戻しする たとえば、3つのバックアップを取得済みで、現在テープの先頭にいるときに3つ目のバックアップファイルをリストアする場合には、次のように2つ先のEOFを指定します。 # /bin/mt -f /dev/nst0 fsf 2 もし3つ目のバックアップの終わりのEOFの位置にいて、2つ目のバックアップをリストアしたい場合には、次のように移動します。 # /bin/mt -f /dev/nst0 bsf 2 上記のようにテープの位置を移動した後に、次のように実行することでリストアすることが可能となります。 # /sbin/restore -r -f /dev/nst0 |