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Linux技術トレーニング 基本管理コース I第7章 その他の環境設定2.時刻同期
(1)時刻同期
NTPサーバーの概要
コンピュータに内蔵されている時計は狂いやすく、通常に使用しているだけでも正しい時刻とのずれが生じる場合があります。そのままの状態でシステムを運用していると、メールが過去から届いたり、各種のログの時刻が違いメンテナンス作業が困難であったりと、さまざま障害が起こってしまいます。
まず、ネットワークの時刻合わせに使う、外部の上位サーバーを決定する必要があります。 NTPサーバーとして動作させるには、/etc/ntp.conf を次のように設定します。 restrict default ignore restrict 127.0.0.1 restrict 192.168.1.0 mask 255.255.255.0 notrust nomodify notrap restrict 上位サーバーIP noquery nomodify notrap restrict 上位サーバーIP noquery nomodify notrap server 上位サーバーIP server 上位サーバーIP driftfile /var/lib/ntp/drift authenticate no
(2)NTPサーバーの起動と停止
NTPサーバーを使用するには、NTPの実体であるデーモンntpdを起動する必要があります。 ntpdの起動/停止スクリプトは/etc/rc.d/init.d/ntpdとなっています。 起動# /sbin/service ntpd start ntpdを起動中: [ OK ]停止 # /sbin/service ntpd stop ntpdを停止中: [ OK ]現在の状況を確認 # /sbin/service ntpd status ntpdは停止しています
(3)NTPサーバーのテスト
現時点のシステム時刻を表示
# /bin/date 2005年 7月 6日 水曜日 14:45:14 JST故意にシステムの時刻をずらす # /bin/date -s “2005/07/06 00:00:00” 2005年 7月 6日 水曜日 00:00:00 JSTntpdを起動 # /sbin/service ntpd start ntpdを起動中: [ OK ]サーバーの動作確認 # /usr/sbin/ntpq -pn remote refid st t when poll reach delay offset jitter ============================================================================= xxx.xxx.xxx.xxx 0.0.0.0 16 u - 64 0 0.000 0.000 4000.00 xx1.xx1.xx1.xx1 0.0.0.0 16 u - 64 0 0.000 0.000 4000.00 st(stratum)の値は15までなので、16ということはまだ同期されていないことを示します。この状況が5分以上続くようであれば/var/log/messagesやもう一度設定ファイル(/etc/ntp.conf)を確認してください。
通常はしばらくすると下記のようにstが実際に使用できる数値へ変わり、徐々に同期が行われてきます。 # /usr/sbin/ntpq -pn remote refid st t when poll reach delay offset jitter ============================================================================= xxx.xxx.xxx.xxx .GPS. 1 u 51 64 0 20.814 3182999 0.008 xx1.xx1.xx1.xx1 .GPS. 1 u 54 64 0 20.037 3182999 0.008さらにしばらくすると、下記のようになります。 # /usr/sbin/ntpq -pn remote refid st t when poll reach delay offset jitter ============================================================================= *xxx.xxx.xxx.xxx .GPS. 1 u 20 64 17 21.558 10.969 3.211 +xx1.xx1.xx1.xx1 .GPS. 1 u 13 64 17 20.792 12.368 4.136 一番左の「*」が現在の同期中のサーバーを示し、「+」はいつでも同期可能なサーバーを示します。
ここで再度システムの時刻を表示すると、現在の時刻に戻っています。
# /bin/date 2005年 7月 6日 水曜日 14:57:23 JSTテストが成功しましたら、NTPサーバーを自動起動させるように設定しておきます。 # /sbin/chkconfig ntpd onこの設定より、再起動後もntpdは起動します。 NTPサーバーの設定が完了したら、各クライアントはこのNTPサーバーをタイムサーバーとしてシステム全体の時刻の同期を取れることとなります。 |