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Linux技術トレーニング 基本管理コース I第5章 ネットワークの設定と操作
Linuxシステムは、ほとんどの運用のケースでTCP/IPネットワークに接続することが不可欠となります。したがって、この章では、MIRACLE LINUXをTCP/IPネットワーク環境化で動作させるための必要となる、基本的な設定方法を学習していきます。 内容としては、以下の通りとなります。
1. ネットワークの基本設定1-1. ネットワーク・サービスの起動と停止
ネットワークの起動と停止
ネットワークの起動スクリプトは、/etc/init.d/networkスクリプトです。通常はシステムの起動と同時に実行されますが、/sbin/serviceコマンドを用いて、手動で起動を行うことも可能です。
このネットワークスクリプトの中では、NICのドライバ・モジュールのロード(/sbin/modprobe)を行い、その後で/sbin/ifupコマンドを用いてネットワークをしています。
1-2. ネットワークの各種設定ファイル
ネットワークの各種設定ファイル
TCP/IPネットワークに関するパラメータをMIRACLE LINUX上にて設定する場合、スライドにある設定ファイルを操作することになります。 これらのファイルについて、詳しく見ていきます。
(1)ネットワークの設定ファイル【1】
/etc/sysconfig/network
このファイルには、接続するネットワークに関する定義を記述します。 <固定IPアドレス>NETWORKING=yes HOSTNAME=host1.your.domain.name DOMAINNAME=your.domain.name GATEWAY=192.168.0.1<DHCP> NETWORKING=yes HOSTNAME=localhost.localdomainこの設定ファイルは、その他のネットワーク関連スクリプトから参照されています。
(2)ネットワークの設定ファイル【2】
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
このファイルには、そのシステムのネットワークインターフェースに関する定義を記述します。手動で作成する際には、ifcfg-loをコピーし、編集すると便利でしょう。 <固定IPアドレス>DEVICE=eth0 BROADCAST=192.168.0.255 IPADDR=192.168.0.197 NETMASK=255.255.255.0 NETWORK=192.168.0.0 BOOTPROTO=none ONBOOT=yes<DHCP> DEVICE=eth0 BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yes この設定ファイルは、主にifup, ifdownから読み込まれています。
また、イーサネットカードが複数装着されている場合は、2枚目のネットワーク・インターフェースは、eth1となり、それに対応する設定ファイルは
(3)ネットワークの設定ファイル【3】
/etc/hosts
このファイルには、ネットワーク内のシステムのIP アドレスとホスト名の対応を記述します 192.168.0.197 host2.your.domain.name host2 127.0.0.1 localhost.localdomain localhost/etc/resolv.conf このファイルには、ホスト名からIP アドレスを調べるために利用するネームサーバーのIP アドレスや、ホストを探すためのドメイン名などを記述します。 domain your.domain.name search your.domain.name nameserver 192.168.1.11 domain 行には接続しているLAN のローカルドメイン名、search 行にはホスト名を調べるために使うドメイン名を記述します。ネームサーバーが複数あるときには、nameserver 行を3 つまで記述できます。 1-3. ネットワーク設定の確認
ネットワークの状況の確認
ネットワークが正しく設定・稼動しているかどうかを確認するための代表的なコマンドをいくつかご紹介します。 目的ホストへの到達性の確認/bin/pingコマンド、/bin/tracerouteコマンドを使用して確認します。
これらコマンドの結果、異常がある場合は、下記に示すコマンドを使用して、設定の確認を実施します。
注記) /bin/pingあるいは/bin/tracerouteコマンドで目的ネットワークに到達できない場合、まず/sbin/ifconfigコマンドを使用して、自身のネットワーク設定を確認します。 # /sbin/ifconfig eth0 eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:0A:E4:27:A6:CE inet addr:172.16.44.143 Bcast:172.16.127.255 Mask:255.255.128.0 inet6 addr: fe80::20a:e4ff:fe27:a6ce/64 Scope:Link UP BROADCAST MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 collisions:0 txqueuelen:1000 RX bytes:0 (0.0 b) TX bytes:0 (0.0 b) Base address:0x7000 Memory:d0200000-d0220000 IPアドレス(inet)、ネットマスク(Mask)が正しく設定されているか確認します。誤りがあるようなら、 /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0の内容を確認します。 名前解決の確認ホストの指定に名前を使用する場合、その名前からIPアドレスが解決できない場合や、解決したIPアドレスが誤っている場合が考えれられます。その確認には、/usr/bin/hostコマンド、/usr/bin/nslookupコマンドが使用できます。ここでは、/usr/bin/hostコマンドの例を記述します。 # /usr/bin/host users.miraclelinux.com (正常な場合、IPアドレスが表示される) users.miraclelinux.com is an alias for ns.miraclelinux.com. ns.miraclelinux.com has address 219.118.163.66 (異常がある場合) Host aa not found: 3(NXDOMAIN) 何かしらの異常が発生する場合、/etc/hosts、/etc/resolv.confの内容を確認します。 IP経路テーブルの確認上記の確認をして問題がない場合は、IP経路テーブル(ルーティングテーブル)を確認します。確認するためのコマンドは、「/sbin/routeコマンド」あるいは、「/bin/netstat -erコマンド」を使用します。以下は、 「/sbin/routeコマンド」の例です。 # /sbin/route
Kernel IP routing table
Destination Gateway Genmask Flags Metric Ref Use Iface
172.16.0.0 * 255.255.128.0 U 0 0 0 eth1
172.16.0.0 * 255.255.128.0 U 0 0 0 eth0
default 172.16.1.252 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth1
上記に出力される値は、使用されているネットワーク構成に応じて正しく設定されている必要があります。ネットワーク構成については、ネットワーク管理者にお問い合わせください。 設定に誤りがある場合は、/etc/sysconfig/network等の内容を確認します。 |