Asianux TSN 移行ガイド for Asianux Server 4 == MIRACLELINUX V6 SP1

Asianux TSN 移行ガイド for Asianux Server 4 == MIRACLELINUX V6 SP1

 

Asianux TSN と自動アップデートツールのご利用について

 

[はじめに]

Asianux Server 4 == MIRACLELINUX V6 SP2 のリリースにともない TSN が利用できるようになりましたため、TSN をご利用いただけるよう手順をご案内しております。

 

[対象]

このドキュメントは Asianux Server 4 == MIRACLELINUX V6 SP1 をインストールし、自動アップデートツールに yum を利用しているお客様を対象としております。

 

[サービスの概要と利用の流れ]

TSN への登録、ご利用にはユーザー登録が必要です。

以下のご利用手順に沿って、事前のご登録をお願いいたします。

 

*ご利用手順 *

1. ユーザー登録  ユーザー登録 / 製品登録

2. TSN への登録

3. 設定ファイルの設定と yum コマンドでのアップデートの実行

既に製品登録はされておりますのでユーザー登録と TSN の登録をお願いいたします。

 

1. TSNへの登録方法

(1) 登録の開始

登録画面を開きます。開き方は GNOMEKDE のウィンドウマネージャ上から開く方法と、コマンドラインから呼び出す方法の3通りあります。

GNOME の場合

「システム」→「管理」→「TSN への登録」の順に選択してください。

 

 

 

KDEの場合

 

デスクトップ画面左下の [Asianux] のボタンをクリックし、「アプリケーション」タブから「管理」を選択してください。

 

 

"Register for software updates from Asianux TSN" を選択してください。

 

コマンドラインから開く場合

コマンドラインより、以下のコマンドを入力することによっても登録できます。

 

# /usr/bin/axtsn_register &

 

root ユーザー以外で起動した場合には、root ユーザーの認証が必要となります。

 

 

(2) ユーザー情報の登録

 

起動画面

 

 

 

ユーザ情報の登録のウィンドウが表示されますので、[進む (F)] ボタンを押して次の画面に進みます。

 

プロダクトキーの入力

事前に製品登録したプロダクトキーを入力後、[進む (F)] をクリックします。

プロダクトキーはサポート証書あるいはメールに記載のXXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX の形式の 25 桁の英数大文字と数字からなるキーです。

 

 

アカウント情報入力

  

ログイン名とパスワード、必要があればシステム名を入力します。

ログイン (L) :ユーザー登録した ID を入力してください。

パスワード (P) :ユーザー登録したパスワードを入力してください。

システム名 (N):デフォルトではサーバーのホスト名が表示されています。任意の名前を設定することも可能です。

 

 

2TSNへの移行とパッケージのアップデート

TSNへの移行の手順は、kernel-uek をインストールしている場合としていない場合で移行方法が異なります。

kernel-uek とは Oracle 社の開発した Unbreakerble Enterprise Kernel で、Oracle ソフトウェアとともに動作した場合にパフォーマンスが発揮されるように最適化されたカスタマイズ kernel です。

kernel-uek をインストールしていない場合 (Asianux 提供の kernel) kernel-uek をインストールしていない場合」を、kernel-uek をインストールしている場合は 3. kernel-uek をインストールしていない場合」をご覧ください。

お使いの kernel を確認するには uname コマンドで確認できます。

 

* kernel-uek を使用していない場合 (Asianux 提供の kernelkernel のバージョンの後ろが "el6")

 

# uname -a

Linux Hiranya-IA32.miraclelinux.com 2.6.32-131.12.1.el6.i686 #1 SMP Thu Aug 25 13:38:13 CST 2011 i686 i686 i386 GNU/Linux

 

* kernel-uek を使用している場合 (kernel のバージョンの後ろが "el6uek")

 

# uname -a

Linux AXS4SP1-ia32uek 2.6.32-100.34.1.el6uek.i686 #1 SMP Wed May 25 17:28:36 EDT 2011 i686 i686 i386 GNU/Linux

 

    kernel-uek をインストールしていない場合

yum の設定ファイルの待避

yum の設定ファイル (axs4ml6-32.repo / axs4ml6-64.repo) を待避します。

 

# cd /etc/yum.repos.d

# mv axs4ml6-32.repo axs4ml6-32.repo.bak

 

yum コマンドの実行

"yum check-update" コマンドと "yum update" コマンドを実行し、アップデートを行います。

 

# yum check-update

# yum update

 

システムの再起動

システムの再起動を行い、kernel が正しくアップデートされたかを確認します。

 

# uname -a

Linux AXS4SP1-ia32uek 2.6.32-279.5.1.el6.i686 #1 SMP Fri Aug 31 17:04:42 CST 2012 i686 i686 i386 GNU/Linux

 

 

3kernel-uek をインストールしている場合

 


kernel-uek Asianux Server 4 SP2 から提供されないようになりました。最新の kernelを使用する場合は kernel-uek から Asianux で提供される kernel に切り替える必要があります。セキュリティの観点より最新 kernel のインストールをおすすめします。


 

現在ご使用の kernel-uek をアップデートせずに保持することもできます。kernel-uek を切り替える場合と保持する場合とで移行の手順が異なります。kernel-uek から最新 kernel に切り替える場合は 「(1) kernel-uek Asianux kernel に切り替える場合」を、kernel-uek を保持する場合は 「(2) kernel-uek をそのまま保持する場合」をご覧ください。

 

(1) kernel-uek Asianux kernel に切り替える場合

yum の設定ファイルの待避

yum の設定ファイル (axs4ml6-32.repo / axs4ml6-64.repo) を待避します。

 

# cd /etc/yum.repos.d

# mv axs4ml6-32.repo axs4ml6-32.repo.bak

 

/etc/sysconfig/kernel の設定

/etc/sysconfig/kernel DEFAULTKERNEL=kernel-uek "kernel" に書き換えます。

 

# UPDATEDEFAULT specifies if new-kernel-pkg should make

# new kernels the default

UPDATEDEFAULT=yes

 

# DEFAULTKERNEL specifies the default kernel package type

DEFAULTKERNEL=kernel-uek # この部分を kernel に書き換える

 

kernel-uek 関連のパッケージの削除

このまま yum でアップデートするとパッケージの衝突が生じるため、kernel-uek 関連のパッケージを削除します。

 

# rpm -e kernel-uek-firmware kernel-uek-doc

# rpm -e kernel-uek-headers --nodeps

 

kernel のインストール

"yum install" コマンドで kernel をインストールします。

 

# yum install kernel kernel-devel kernel-headers kernel-doc

 

kernel-firmware パッケージは依存関係で自動的にアップデートされます。

"yum install" コマンドの実行時に次のような警告メッセージが表示されますが、kernel のインストール後に依存関係が解決されるため、問題はありません。

 

Warning: RPMDB altered outside of yum.

** Found 6 pre-existing rpmdb problem(s), 'yum check' output follows:

audit-libs-devel-2.1-5.AXS4.i686 has missing requires of kernel-headers >= ('0', '2.6.29', None)

 

yum コマンドの実行

"yum check-update" コマンドと "yum update" コマンドを実行し、アップデートを行います。

 

# yum check-update

# yum update

 

/boot/grub/grub.conf ファイルの確認

念のため /boot/grub/grub.conf ファイルを確認し、kernel がアップデートされているか、デフォルトで起動するカーネルがアップデートしたものに変更されているかを確認します。

 

#boot=/dev/sda

default=0

timeout=5

splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz

hiddenmenu

title Asianux Server 4 (2.6.32-279.5.1.el6.i686)

root (hd0,0)

kernel /vmlinuz-2.6.32-279.5.1.el6.i686 ro root=/dev/mapper/vg_axs4sp1ia32uek-lv_root rd_LVM_LV=vg_axs4sp1ia32uek/lv_root rd_LVM_LV=vg_axs4sp1ia32uek/lv_swap rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=ja_JP.UTF-8 KEYBOARDTYPE=pc KEYTABLE=jp106 crashkernel=auto rhgb quiet

initrd /initramfs-2.6.32-279.5.1.el6.i686.img

(...)

 

システムの再起動

システムの再起動を行い、kernel が正しくアップデートされたかを確認します。

 

# uname -a

Linux AXS4SP1-ia32uek 2.6.32-279.5.1.el6.i686 #1 SMP Fri Aug 31 17:04:42 CST 2012 i686 i686 i386 GNU/Linux

 

(2) kernel-uek をそのまま保持する場合

yum の設定ファイルの待避

yum の設定ファイル (axs4ml6-32.repo / axs4ml6-64.repo) を待避します。

 

# cd /etc/yum.repos.d

# mv axs4ml6-32.repo axs4ml6-32.repo.bak

 

/etc/yum.conf の設定

/etc/yum.conf "exclude=kernel*" を追加します。

 

(…)

obsoletes=1

gpgcheck=1

plugins=1

installonly_limit=3

exclude=kernel* # この行を追加する

 

yum コマンドの実行

"yum check-update" コマンドと "yum update" コマンドを実行し、アップデートを行います。

 

# yum check-update

# yum update

 

/boot/grub/grub.conf ファイルの確認

念のため /boot/grub/grub.conf ファイルを確認し、kernel がアップデートされていないか、デフォルトで起動するカーネルが変更されていないかを確認します。

 

#boot=/dev/sda

default=0

timeout=5

splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz

hiddenmenu

title Asianux Server-uek (2.6.32-100.34.1.el6uek.x86_64)

root (hd0,0)

kernel /vmlinuz-2.6.32-100.34.1.el6uek.x86_64 ro root=/dev/mapper/vg_axs4sp1x8664uek-lv_root rd_LVM_LV=vg_axs4sp1x8664uek/lv_root rd_LVM_LV=vg_axs4sp1x8664uek/lv_swap rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=ja_JP.UTF-8 KEYBOARDTYPE=pc KEYTABLE=jp106 crashkernel=auto rhgb quiet

initrd /initramfs-2.6.32-100.34.1.el6uek.x86_64.img

(...)

 

起動カーネルの確認

再起動の際に kernel-uek が起動しているか確認します。

 

# uname -a

Linux AXS4SP1-x86-64uek 2.6.32-100.34.1.el6uek.x86_64 #1 SMP Wed May 25 17:46:45 EDT 2011 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

 

 

詳しい yum の利用方法につきましては yum 利用ガイド (PDF)をご覧ください。

 

[更新履歴]

2012年 1月 21日 新規作成