rpmコマンドで Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5をSP2からSP3へアップデートする方法 (64bit)

[概　　要]

Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5を SP2からSP3相当へアップデートする場合、アップデート対象マシンがインターネットへ接続できる環境であれば、Asianux TSN Updater （axtu）を使用して自動アップデートが可能ですが、インターネットへ接続できない環境の場合、手動でアップデートする必要があります。

本ドキュメントでは、axtu を使用せずに、rpmコマンドで 64bit版の Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 を SP2 から SP3 相当にアップデートする方法について説明します。

[対象となる製品のバージョン]

Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 (SP2版、64bit)

※製品パッケージ表面にSP2の表示があるものがSP2版のメディアになります。稼働中のシステムについては、ログイン画面で Asianux Server 3 (Quartet SP2) の表示があるものがSP2ベースのシステムです。

※無印のAsianux Server 3はこのドキュメントの対象になりません。また既にSP2相当にアップグレードした場合でも、ここに書かれた手順と一部異なる場合があります。

[前提環境]

本ドキュメントでは、以下a の状態から、b の状態とすることを前提としています。

a. SP2版の Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 のDVDを使用して、パッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態 (ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)

b. SP3版のAsianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5のDVDを使用して、パッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態 (ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)

ただし、SP3で新たに追加されたパッケージはインストールされません。(依存パッケージを除く)

[準　　備]

事前にAsianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 のDVD-ROMイメージ（ISOファイル）を入手してください。

DVD-ROMイメージはAsianux Technical Support Network（TSN）からダウンロードすることができます。

Asianux Technical Support Network（TSN）

ダウンロードしたDVDイメージは、アップデート対象サーバーへ保存するか、DVD-ROMへ焼くなどして、利用可能な状態にしておきます。

また、本ドキュメントでは、以下のようなディレクトリ構造で作業を行っています。

あらかじめディレクトリを作成してください。

ディレクトリ名	説明
/iso	DVD-ROMイメージ(isoファイル)格納用ディレクトリ
/mnt/disc	DVD-ROMイメージのマウント用ディレクトリ

※ /iso ディレクトリには 1.9GB のディスク容量が必要です。

[アップデート手順]

１．ダウンロードしたCD-ROMイメージ（またはイメージを焼いたCD-ROM）をマウントします。

以下の例では、/iso ディレクトリに格納しているCD-ROMイメージを、/mnt/disc にマウントしています。

# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP3-x86_64-dvddisc-201005261514.iso /mnt/disc

２．rpmコマンドで、パッケージを適用します。

あらかじめ rpmパッケージの格納ディレクトリ（ここでは /mnt/disc/Asianux/RPMS）へ移動しておいてください。

# cd /mnt/disc/Asianux/RPMS

（１）kernelパッケージについては、rpmコマンドの-iオプションを使用して、古いバージョンのカーネルを残してインストールします。

# rpm -ivh kernel-2.6.18-194.1.AXS3.i686.rpm \

kernel-devel-2.6.18-194.1.AXS3.i686.rpm

（２）以下の12パッケージについては、SP3からDVDメディアで提供されなくなりました。rpmコマンドの -e オプションで削除します。

# rpm -e neon-devel nss-pkcs11-devel xulrunner-devel xulrunner-devel-unstable \

dapl-devel libgcj-src libibverbs-devel libicu-devel libpcap-devel libvolume_id-devel \

NetworkManager-glib-devel bind-libbind-devel

※これらが引き続き必要な場合はTSNより取得することができます。

（３）以下の30パッケージについては、rpmコマンドの -U オプションを使用します。

# rpm -Uvh dbus-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \

dbus-1.1.2-14.AXS3.x86_64.rpm \

dbus-devel-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \

dbus-devel-1.1.2-14.AXS3.x86_64.rpm \

dbus-libs-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \

dbus-libs-1.1.2-14.AXS3.x86_64.rpm \

dbus-x11-1.1.2-14.AXS3.x86_64.rpm \

openhpi-2.14.0-5.1AXS3.i386.rpm \

openhpi-2.14.0-5.1AXS3.x86_64.rpm \

openhpi-libs-2.14.0-5.1AXS3.i386.rpm \

openhpi-libs-2.14.0-5.1AXS3.x86_64.rpm \

openhpi-devel-2.14.0-5.1AXS3.i386.rpm \

openhpi-devel-2.14.0-5.1AXS3.x86_64.rpm \

fipscheck-1.2.0-1AXS3.i386.rpm \

fipscheck-1.2.0-1AXS3.x86_64.rpm \

fipscheck-lib-1.2.0-1AXS3.i386.rpm \

fipscheck-lib-1.2.0-1AXS3.x86_64.rpm \

sgpio-1.2.0_10-2.1.AXS3.x86_64.rpm \

dmraid-1.0.0.rc13-63.AXS3.x86_64.rpm \

dmraid-events-1.0.0.rc13-63.AXS3.x86_64.rpm \

dmraid-devel-1.0.0.rc13-63.AXS3.x86_64.rpm \

libao-0.8.6-7.i386.rpm \

libao-0.8.6-7.x86_64.rpm \

libsmbclient-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm \

libsmbclient-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

samba-common-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm \

samba-common-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

samba-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

samba-client-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

samba-swat-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.x86_64.rpm

（４）以下の16パッケージについては、rpmコマンドの -i オプションを使用します。

# rpm -ivh libcxgb3-1.2.5-2.AXS3.i386.rpm \

libcxgb3-1.2.5-2.AXS3.x86_64.rpm \

hmaccalc-0.9.6-3.AXS3.i386.rpm \

hmaccalc-0.9.6-3.AXS3.x86_64.rpm \

libibcm-1.0.5-1.AXS3.i386.rpm \

libibcm-1.0.5-1.AXS3.x86_64.rpm \

bitstream-vera-fonts-1.10-7.noarch.rpm \

pcsc-lite-libs-1.4.4-1.0.1.AXS3.i386.rpm \

pcsc-lite-libs-1.4.4-1.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

ifd-egate-0.05-17.x86_64.rpm \

pcsc-lite-1.4.4-1.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

e4fsprogs-libs-1.41.9-3.0.1.AXS3.i386.rpm \

e4fsprogs-libs-1.41.9-3.0.1.AXS3.x86_64.rpm \

xz-libs-4.999.9-0.3.beta.20091007git.AXS3.i386.rpm \

xz-libs-4.999.9-0.3.beta.20091007git.AXS3.x86_64.rpm \

xorg-x11-drv-qxl-0.0.12-1.2.AXS3.x86_64.rpm

（５）残りのパッケージを、rpmコマンドの -F オプションを使用して適用します。

# rpm -Fvh *.rpm

[注意事項]

本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。
本ドキュメントは、限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、全ての環境での動作を保証するものではありません。
本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、運用を行なったことにより損害が生じた場合でも、弊社はその損害についての責任を負いません。あくまでお客様のご判断にてご使用ください。

[更新履歴]

2010年　7月6日　新規作成

2010年　10月13日　アップグレードパッケージ修正