MIRACLE System Saviorにサードベンダ製ドライバを追加する方法

 

[概要]

本書では、MIRACLE System Saviorにサードベンダ製のドライバを追加し、MIRACLE System Savior標準のドライバでは認識できないハードウェアを利用する方法を示します。

MIRACLE System Saviorの詳細については以下をご参照ください。

 

 

[対応する製品のバージョン]

  • MIRACLE System Savior V1R2+(1.2.0125)以降

 

 

[検証内容]

MIRACLE System Savior(以下MSS)はLiveCDで起動し、HDD上のデータをローカルディスク上、またはファイルサーバ上にバックアップ/リカバリをするソフトウェアです。そのため、バックアップ/リカバリを行うには、バックアップ対象となるHDDLiveCDから認識し、利用できる状態になっている必要があります。また、ファイルサーバ上にバックアップを行う場合は、NICが利用できる状態になっている必要があります。そのため、特殊なHWが搭載されているマシンではMSSにドライバが存在せず、HWそのものを認識することができず、バックアップできない場合があります。

MSSでは、サードベンダ製のドライバをロードする機能を持っているため、上記のような問題を回避することができます。

 

本検証では東芝製のRAIDコントローラが装着されているマシンで検証を行います。MSSCentOSをベースに開発されていますが、東芝RAIDCentOS5.5にはドライバが存在せず、HDDを認識することができません。MSSにドライバをロードさせ、ディスクが見えるようになることを確認します。

 

 

[検証手順]

MIRACLE System Savior V1R2+(1.2.0125)ではベースOSとしてCentOS 5.5x86)を採用しています。

そのため、CentOS5.5向けに作成されたドライバディスクを1つロードすることができます。

 

以下の手順で使用してください。

 

  1. CentOS向けに作成されたドライバディスクイメージを準備します。ドライバディスクについては、各HWベンダにご確認ください。
     
  2. ドライバを外部メディアに書き込み、ドライバディスクを作成します。MSSではドライバディスクに利用できる外部メディアとして、FDまたはUSBメモリが利用できます。なお、USBメモリを利用する場合は、USBメモリのファイルシステム上にイメージファイルやドライバモジュールを置くのではなく、ディスクの先頭に直接書き込む必要があります。
     
    []Linuxの場合
     

    # dd if=driver.img of=/dev/fd0 (通常のFDの場合)

    # dd if=driver.img of=/dev/sdb (USB機器でsdbと認識されている場合)

     

     

  3. MIRACLE System SaviorCDをバックアップ/リカバリ対象マシンに挿入し、マシンを起動します。MSSの起動画面で、[MIRACLE System Savior (Original Kernel settings, VGA 800x600)]にカーソルを合わせ、[Tab]キーを押します。

 

 

  1. [Tab]キーを押すとブート時のオプション文字列が表示されます。文字列の最後に以下のいずれかを追加し、[Enter]キーを押して起動させます。
     
    []

     

    通常のFDDからロード: " dd=/dev/fd0"

    USB-FDDまたはUSBメモリからロード: " dd=/dev/sda" (BIOS順で最初のSCSIドライブと認識される場合)

     

    なお、本入力画面ではキーボードレイアウトが英語配列となっています。日本語キーボードをお使いの場合、『=』は日本語『へ』のキーに割あたっているのでご注意ください。

 

 

 

  1. 起動後、メディアの挿入を促すメッセージが表示されるので、FDまたはUSBメモリを挿入して<Yes>を押してください。USB-FDDUSBメモリの場合は、挿入してから認識までに数秒の時間がかかる場合があります。約5秒程度待ってから[Enter]を押してください。

 

 

 

  1. ドライバディスクが正常に読み込まれるとドライバの情報が表示されます。以下ではCentOS5.5には含まれていない東芝RAIDのドライバafxxxcがロードされています。

 

 

 

  1. ドライバのロード後、USB-FDDUSBメモリの場合は取り外す旨表示がされるので、USB FDDはドライブごと、またはUSBメモリを取り外してから先に進みます。

     

     

  2. 以上でドライバの追加は終了です。ドライバのロード完了後はメニューに従い、通常のバックアップ・リカバリ作業を行ってください。
     
    通常の作業では不要ですが、ここでは念のため正しくドライバがロードされたことを確認します。
    [Alt+F2]でコンソール画面に入ります。

 

- lsmod結果(抜粋)

$ lsmod

Module Size Used by

afxxxc 26720 0

 

- modinfo結果

# modinfo afxxc

modinfo: could not find module afxxc

-bash-3.2# modinfo afxxxc

filename: /lib/modules/2.6.18-194.el5/extra/afxxxc.ko

version: 2.09-TOS1(2010-01-18)

license: GPL

description: AFC SCSI driver

author: Toshiba Solutions Corporation

srcversion: DD721E4C135AE924F8F3DEF

alias: pci:v00001179d00000109sv00001179sd00000003bc*sc*i*

alias: pci:v00001179d00000109sv00001179sd00000002bc*sc*i*

alias: pci:v00001179d00000108sv00001179sd00000002bc*sc*i*

alias: pci:v00008086d00003310sv00001054sd00003034bc*sc*i*

alias: pci:v00008086d00003310sv00001054sd00003030bc*sc*i*

alias: pci:v00001179d00000109sv00001179sd00000004bc*sc*i*

alias: pci:v00001179d00000109sv00001179sd00000001bc*sc*i*

alias: pci:v00001179d00000108sv00001179sd00000001bc*sc*i*

depends: scsi_mod

vermagic: 2.6.18-194.el5 SMP mod_unload 686 REGPARM 4KSTACKS gcc-4.1

parm: afc_hosts_max:int

parm: afc_outgoing_init:int

parm: afc_retry_period:int

parm: afc_ioctl_timeout:int

parm: afc_ioctl_retry_max:int

parm: afc_timeout:I/O timeout in seconds to wait for RAID controller, (default=60) (uint)

 

- fdisk結果

# fdisk -l

 

Disk /dev/sda: 164.6 GB, 164672569344 bytes

255 heads, 63 sectors/track, 20020 cylinders

Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 bytes

 

デバイス Boot Start End Blocks Id System

/dev/sda1 1 40 321268+ 83 Linux

/dev/sda2 41 557 4152802+ 82 Linux swap / Solaris

/dev/sda3 * 558 20020 156336547+ 83 Linux

 

上記のように正しくドライバがロードされ、ディスクを認識していることを確認しました。

 

 

 

[注意事項]

 

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[更新履歴]

 

2011118日 新規作成