rpmコマンドで Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5をSP2からSP3へアップデートする方法 (32bit)
Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5を SP2からSP3相当へアップデートする場合、アップデート対象マシンがインターネットへ接続できる環境であれば、Asianux TSN Updater （axtu）を使用して自動アップデートが可能ですが、インターネットへ接続できない環境の場合、手動でアップデートする必要があります。
本ドキュメントでは、axtu を使用せずに、rpmコマンドで 32bit版の Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 を SP2 から SP3 相当にアップデートする方法について説明します。
Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 (SP2版、32bit)
※製品パッケージ表面にSP2の表示があるものがSP2版のメディアになります。稼働中のシステムについては、ログイン画面で Asianux Server 3 (Quartet SP2) の表示があるものがSP2ベースのシステムです。
※無印のAsianux Server 3はこのドキュメントの対象になりません。また既にSP2相当にアップグレードした場合でも、ここに書かれた手順と一部異なる場合があります。
本ドキュメントでは、以下a の状態から、b の状態とすることを前提としています。
a. SP2版の Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 のDVDを使用して、パッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態 (ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)
b. SP3版のAsianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5のDVDを使用して、パッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態 (ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)
事前にAsianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 のDVD-ROMイメージ（ISOファイル）を入手してください。
DVD-ROMイメージはAsianux Technical Support Network（TSN）からダウンロードすることができます。
Asianux Technical Support Network（TSN）
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ディレクトリ名 |
説明 |
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/iso |
DVD-ROMイメージ(isoファイル)格納用ディレクトリ |
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/mnt/disc |
DVD-ROMイメージのマウント用ディレクトリ |
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/work |
/RPMS |
rpmパッケージをまとめて格納するディレクトリ |
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/dependarch_pkg |
使用しているアーキテクチャによって除外するパッケージ |
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※ /iso ディレクトリには 1.9GB、/work ディレクトリには1.7GB のディスク容量が必要です。
以下の例では、/iso ディレクトリに格納しているCD-ROMイメージを、/mnt/disc にマウントしています。
# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP3-ia32-dvddisc-201005261509.iso /mnt/disc
２．マウントしたCD-ROMイメージからrpmパッケージをコピーします。rpmパッケージはCD-ROMイメージのマウントポイント配下の Asianux/RPMSディレクトリに存在します。
以下の例では、すべての rpmパッケージを、/work/RPMS/ディレクトリへコピーしています。
# cp -a /mnt/disc/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/
rpmパッケージの格納ディレクトリ（ここでは /work/RPMS）へ移動します。
# cd /work/RPMS/
glibc と openssl については、i386/i686 パッケージのうち対象外のパッケージをあらかじめ退避しておきます。
以下の例では、使用しているシステムが i686 なので対象外の i386 パッケージを退避用ディレクトリ /work/dependarch_pkg へ移動しています。
# uname -m ←使用しているシステムのアーキテクチャを確認
i686 ←i686を使用
# mv glibc-2.5-49.1.AXS3.i386.rpm \
openssl-0.9.8e-12.AXS3.i386.rpm \
/work/dependarch_pkg/
あらかじめ rpmパッケージの格納ディレクトリ（ここでは /work/RPMS）へ移動しておいてください。
# cd /work/RPMS/
# rpm -ivh kernel-2.6.18-194.1.AXS3.i686.rpm \
kernel-PAE-2.6.18-194.1.AXS3.i686.rpm \
kernel-devel-2.6.18-194.1.AXS3.i686.rpm \
kernel-PAE-devel-2.6.18-194.1.AXS3.i686.rpm
（２）以下の12パッケージについては、SP3からDVDメディアで提供されなくなりました。rpmコマンドの -e オプションで削除します。
# rpm -e neon-devel nss-pkcs11-devel xulrunner-devel xulrunner-devel-unstable \
dapl-devel libgcj-src libibverbs-devel libicu-devel libpcap-devel libvolume_id-devel \
NetworkManager-glib-devel bind-libbind-devel
（３）以下の19パッケージについては、rpmコマンドの -U オプションを使用します。
# rpm -Uvh dbus-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \
dbus-devel-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \
dbus-libs-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \
dbus-x11-1.1.2-14.AXS3.i386.rpm \
openhpi-2.14.0-5.1AXS3.i386.rpm \
openhpi-libs-2.14.0-5.1AXS3.i386.rpm \
openhpi-devel-2.14.0-5.1AXS3.i386.rpm \
fipscheck-1.2.0-1AXS3.i386.rpm \
fipscheck-lib-1.2.0-1AXS3.i386.rpm \
sgpio-1.2.0_10-2.1.AXS3.i386.rpm \
dmraid-1.0.0.rc13-63.AXS3.i386.rpm \
dmraid-devel-1.0.0.rc13-63.AXS3.i386.rpm \
dmraid-events-1.0.0.rc13-63.AXS3.i386.rpm \
libao-0.8.6-7.i386.rpm \
libsmbclient-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm \
samba-common-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm \
samba-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm \
samba-client-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm \
samba-swat-3.0.33-3.28.0.1.AXS3.i386.rpm
（４）以下の10パッケージについては、rpmコマンドの -i オプションを使用します。
# rpm -ivh libcxgb3-1.2.5-2.AXS3.i386.rpm \
hmaccalc-0.9.6-3.AXS3.i386.rpm \
libibcm-1.0.5-1.AXS3.i386.rpm \
bitstream-vera-fonts-1.10-7.noarch.rpm \
pcsc-lite-libs-1.4.4-1.0.1.AXS3.i386.rpm \
ifd-egate-0.05-17.i386.rpm \
pcsc-lite-1.4.4-1.0.1.AXS3.i386.rpm \
e4fsprogs-libs-1.41.9-3.0.1.AXS3.i386.rpm \
xz-libs-4.999.9-0.3.beta.20091007git.AXS3.i386.rpm \
xorg-x11-drv-qxl-0.0.12-1.2.AXS3.i386.rpm
（５）残りのパッケージを、rpmコマンドの -F オプションを使用して適用します。
# rpm -Fvh *.rpm
本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。
本ドキュメントは、
本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、
2010年 7月6日 新規作成
2010年 10月13日 アップグレードパッケージ修正