rpmコマンドで Asianux Server 3(x86_64)をSP1へアップデートする方法

[概  要]

Asianux Server 3 SP1 Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5) 相当へアップデートする場合、アップデート対象マシンがインターネットへ接続できる環境であれば、Asianux TSN Updater axtu)を使用して自動アップデートが可能ですが、インターネットへ接続できない環境の場合、手動でアップデートする必要があります。

 

本ドキュメントでは、axtu を使用せずに、rpmコマンドで Asianux Server 3 x86_64)から Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 x86_64)相当にアップデートする方法について説明します。

 

[対象となる製品のバージョン]

 Asianux Server 3 for x86_64(64bit)

 

[前提環境]

本ドキュメントでは、以下a の状態から、b の状態とすることを前提としています。

 

a. Asianux Server 3 のパッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態

(ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)

 

b: Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 CDを使用して、パッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態 (ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)

 

ただし、Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 で新たに追加されたパッケージ、および非互換パッケージはインストールされません。

 

[準  備]

事前にAsianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 CD-ROMイメージ(isoファイル)を入手してください。

CD-ROMイメージはAsianux Techincal Support NetworkTSN)からダウンロードすることができます。

 

  Asianux Techincal Support NetworkTSN

 

ダウンロードしたCD-ROMイメージは、アップデート対象サーバーへ保存するか、CD-ROMへ焼くなどして、利用可能な状態にしておきます。

 

また、本ドキュメントでは、以下のようなディレクトリ構造で作業を行っています。
あらかじめディレクトリを作成してください。
 
ディレクトリ名
説明
/iso
CD-ROMイメージ(isoファイル)格納用ディレクトリ
/mnt/disc1~3
CD-ROMイメージのマウント用ディレクトリ
 
/work
/RPMS
rpmパッケージをまとめて格納するディレクトリ
/dependarch_pkg
使用しているアーキテクチャによって除外するパッケージ
/incompatible_pkg
非互換パッケージ

/iso ディレクトリには 1.8GB/work ディレクトリには1.6GB のディスク容量が必要です。

 

[設定手順]

 

1.ダウンロードしたCD-ROMイメージ(またはイメージを焼いたCD-ROM)をマウントします。

以下の例では、/iso ディレクトリに格納しているCD-ROMイメージを、/mnt/disk13にマウントしています。

 

# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP1-x86_64-disc1-200808211722.iso /mnt/disc1

# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP1-x86_64-disc2-200808211722.iso /mnt/disc2

# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP1-x86_64-disc3-200808211722.iso /mnt/disc3

 

 

2.マウントしたCD-ROMイメージからrpmパッケージをコピーします。rpmパッケージはCD-ROMイメージのマウントポイント配下の Asianux/RPMSディレクトリに存在します。

以下の例では、disk1disk3 のすべての rpmパッケージを、/work/RPMS/ディレクトリへコピーしています。

 

# cp -a /mnt/disc1/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/

# cp -a /mnt/disc2/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/

# cp -a /mnt/disc3/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/

 

 

3.rpmパッケージを分類します。

あらかじめ rpmパッケージの格納ディレクトリ(ここでは /work/RPMS)へ移動しておいてください。

 

# cd /work/RPMS/

 

(2)samba 関連パッケージについては、バージョン間で非互換が発生するため退避しておきます。

以下の例では、退避用ディレクトリ /work/incompatible_pkg へ移動しています。

 

# mv samba-3.0.28-0.4.3AXS3.x86_64.rpm \

samba-common-3.0.28-0.4.3AXS3.i386.rpm \

samba-common-3.0.28-0.4.3AXS3.x86_64.rpm \

samba-client-3.0.28-0.4.3AXS3.x86_64.rpm \

samba-swat-3.0.28-0.4.3AXS3.x86_64.rpm \

/work/incompatible_pkg/

 

また、axtu-common-info パッケージについても、非互換機能を提供するもののため退避しておきます。

 

# mv axtu-common-info-1.0-2AXS3.noarch.rpm /work/incompatible_pkg

 

 

5.rpmコマンドで、パッケージを適用します。

あらかじめ rpmパッケージの格納ディレクトリ(ここでは /work/RPMS)へ移動しておいてください。

 

# cd /work/RPMS/

 

(1)kernelパッケージについては、rpmコマンドの-iオプションを使用して、古いバージョンのカーネルをを残してインストールします。

 

# rpm -ivh kernel-2.6.18-53.11AXS3.x86_64.rpm \

kernel-devel-2.6.18-53.11AXS3.x86_64.rpm \

 

(2)以下の7パッケージについては、rpmコマンドの -U オプションを使用します。

 

# rpm -Uvh libibverbs-1.1.1-6AXS3.i386.rpm \

libibverbs-1.1.1-6AXS3.x86_64.rpm \

dapl-1.2.1.1-6AXS3.i386.rpm \

dapl-1.2.1.1-6AXS3.x86_64.rpm \

librdmacm-1.0.1-6AXS3.i386.rpm \

librdmacm-1.0.1-6AXS3.x86_64.rpm \

redcastle-data-3.0.2-6.x86_64.rpm

 

(3)以下の7パッケージについては、rpmコマンドの -i オプションを使用します。

 

# rpm -ivh keyutils-libs-1.2-1.i386.rpm \

keyutils-libs-1.2-1.x86_64.rpm \

keyutils-libs-devel-1.2-1.i386.rpm \

keyutils-libs-devel-1.2-1.x86_64.rpm

kmod-redcastle-3.0.2-6.2.6.18_53.11AXS3.x86_64.rpm \

redcastle-app-3.0.2-6.x86_64.rpm \

redcastle-pam-3.0.2-6.x86_64.rpm

 

(4)残りのパッケージを、rpmコマンドの -F オプションを使用して適用します。

 

# rpm -Fvh *.rpm

 

 

 

[注意事項]

本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。
本ドキュメントは、限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、 全ての環境での動作を保証するものではありません。
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[更新履歴]
2008年 11月 19日 新規作成