rpmコマンドで Asianux Server 3(x86)をSP1へアップデートする方法
Asianux Server 3 を SP1 (Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5) 相当へアップデートする場合、アップデート対象マシンがインターネットへ接続できる環境であれば、Asianux TSN Updater (axtu)を使用して自動アップデートが可能ですが、インターネットへ接続できない環境の場合、手動でアップデートする必要があります。
本ドキュメントでは、axtu を使用せずに、rpmコマンドで Asianux Server 3 (x86) から Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 (x86) 相当にアップデートする方法について説明します。
Asianux Server 3 for x86(32bit)
本ドキュメントでは、以下a の状態から、b の状態とすることを前提としています。
a. Asianux Server 3 のパッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態
(ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)
b: Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 のCDを使用して、パッケージ選択で「すべて」を選択してインストールした状態 (ミドルウェアパッケージ、仮想化パッケージは未選択)
ただし、Asianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 で新たに追加されたパッケージ、および非互換パッケージはインストールされません。
事前にAsianux Server 3 ==MIRACLE LINUX V5 のCD-ROMイメージ(isoファイル)を入手してください。
CD-ROMイメージはAsianux Techincal Support Network(TSN)からダウンロードすることができます。
Asianux Techincal Support Network(TSN)
ディレクトリ名
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説明
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/iso
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CD-ROMイメージ(isoファイル)格納用ディレクトリ
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/mnt/disc1~3
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CD-ROMイメージのマウント用ディレクトリ
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/work
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/RPMS
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rpmパッケージをまとめて格納するディレクトリ
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/dependarch_pkg
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使用しているアーキテクチャによって除外するパッケージ
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/incompatible_pkg
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非互換パッケージ
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※ /iso ディレクトリには 1.6GB、/work ディレクトリには1.3GB のディスク容量が必要です。
1.ダウンロードしたCD-ROMイメージ(またはイメージを焼いたCD-ROM)をマウントします。
以下の例では、/iso ディレクトリに格納しているCD-ROMイメージを、/mnt/disk1~3 にマウントしています。
# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP1-ia32-disc1-200808211722.iso /mnt/disc1
# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP1-ia32-disc2-200808211722.iso /mnt/disc2
# mount -o loop /iso/Asianux-30-SP1-ia32-disc3-200808211722.iso /mnt/disc3
2.マウントしたCD-ROMイメージからrpmパッケージをコピーします。rpmパッケージはCD-ROMイメージのマウントポイント配下の Asianux/RPMSディレクトリに存在します。
以下の例では、disk1~disk3 のすべての rpmパッケージを、/work/RPMS/ディレクトリへコピーしています。
# cp -a /mnt/disc1/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/
# cp -a /mnt/disc2/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/
# cp -a /mnt/disc3/Asianux/RPMS/*.rpm /work/RPMS/
3.rpmパッケージを分類します。
あらかじめ rpmパッケージの格納ディレクトリ(ここでは /work/RPMS)へ移動しておいてください。
# cd /work/RPMS/
(1)使用しているシステムのアーキテクチャを確認し、glibc と openssl については、i386/i686 パッケージのうち対象外のパッケージをあらかじめ退避しておきます。
以下の例では、使用しているシステムが i686 なので対象外の i386 パッケージを退避用ディレクトリ /work/dependarch_pkg へ移動しています。
# uname -m ←使用しているシステムのアーキテクチャを確認
i686 ←i686を使用
# mv glibc-2.5-18.1AXS3.i386.rpm \
openssl-0.9.8b-8.3.2.i386.rpm \
/work/dependarch_pkg/
(2)samba 関連パッケージについては、バージョン間で非互換が発生するため退避しておきます。
以下の例では、退避用ディレクトリ /work/incompatible_pkg へ移動しています。
# mv samba-3.0.28-0.4.3AXS3.i386.rpm \
samba-common-3.0.28-0.4.3AXS3.i386.rpm \
samba-client-3.0.28-0.4.3AXS3.i386.rpm \
samba-swat-3.0.28-0.4.3AXS3.i386.rpm \
/work/incompatible_pkg/
また、axtu-common-info パッケージについても、非互換機能を提供するもののため退避しておきます。
# mv axtu-common-info-1.0-2AXS3.noarch.rpm /work/incompatible_pkg
5.rpmコマンドで、パッケージを適用します。
あらかじめ rpmパッケージの格納ディレクトリ(ここでは /work/RPMS)へ移動しておいてください。
# cd /work/RPMS/
(1)kernelパッケージについては、rpmコマンドの-iオプションを使用して、古いバージョンのカーネルをを残してインストールします。
# rpm -ivh kernel-2.6.18-53.11AXS3.i686.rpm \
kernel-PAE-2.6.18-53.11AXS3.i686.rpm \
kernel-devel-2.6.18-53.11AXS3.i686.rpm \
kernel-PAE-devel-2.6.18-53.11AXS3.i686.rpm \
(2)以下の4パッケージについては、rpmコマンドの -U オプションを使用します。
# rpm -Uvh libibverbs-1.1.1-6AXS3.i386.rpm \
dapl-1.2.1.1-6AXS3.i386.rpm \
librdmacm-1.0.1-6AXS3.i386.rpm \
redcastle-data-3.0.2-6.i386.rpm
(3)以下の6パッケージについては、rpmコマンドの -i オプションを使用します。
# rpm -ivh keyutils-libs-1.2-1.i386.rpm \
keyutils-libs-devel-1.2-1.i386.rpm \
kmod-redcastle-3.0.2-6.2.6.18_53.11AXS3.i686.rpm \
kmod-redcastle-PAE-3.0.2-6.2.6.18_53.11AXS3.i686.rpm \
redcastle-app-3.0.2-6.i686.rpm \
redcastle-pam-3.0.2-6.i686.rpm
(4)残りのパッケージを、rpmコマンドの -F オプションを使用して適用します。
# rpm -Fvh *.rpm
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