Asianux Server 3上にiSCSIターゲットディスクを構築する方法

 本ドキュメントの内容はサポートサービスの対象外です。

 

[概  要]

本ドキュメントでは、Asianux Server 3をインストールしたサーバー上に、iSCSIのターゲットディスクを構築する方法について説明します。

 

[注意事項]
本ドキュメントは、各ソフトウェア開発元の情報およびマニュアル等を元にした参考情報です。
本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。

 

本ドキュメントは、限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、全ての環境での動作を保証するものではありません。
本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、運用を行なったことにより損害が生じた場合でも、弊社はその損害についての責任を負いません。
また、本ドキュメントの内容に関するサポートのお問い合わせはお受けしておりません。あくまでお客様のご判断にてご使用ください。

 

[確認環境]
iSCSIターゲット側

OSAsianux Server 3x86

iSCSIターゲットソフトウェア:iSCSI Enterprise Targetver 0.4.16

 

iSCSIイニシエーター側

OSAsianux Server 3x86-64

iSCSIイニシエーター:iscsi-initiator-utils-6.2.0.742-0.6.1AX

 

[設定手順]

 

1.iSCSターゲットの設定

Asianux Server 3 には、iSCSIターゲットとして動作させる為のソフトウェア「iSCSI Enterprise Target」(以下iscsi-target)は含まれていない為、以下のサイトよりダウンロードします。

 

URLhttp://iscsitarget.sourceforge.net/

ファイル:iscsitarget-0.4.16.tar.gz(2008/5/15現在)

 

(1)ダウンロードしたファイルiscsitarget-0.4.16.tar.gzを解凍します。

 

 

# tar zxvf iscsitarget-0.4.16.tar.gz

 

 

 

(2)手順(1)で解凍後に作成されたフォルダに移動し、make及び、インストールします。

 

 

# cd iscsitarget-0.4.16

# make

# make install

 

 

(3)iscsi-targetをサービスに追加します。

 

 

# chkconfig --add iscsi-target

 

 

(4)iscsi-targetの自動起動を有効にします。

 

 

# chkconfig iscsi-target on

 

 

(5)iSCSIターゲット名と、それに紐付くLunの設定をします。

 

対象ファイル:/etc/ietd.conf 

 

Target iqn.作成時のyyyy-mm.このサーバーのFQDNを逆にしたもの:サーバー内で一意の文字列

Lun lun番号 Path=iSCSIターゲットとして割り当てるブロックデバイスのパス

 

 

実際の記述例:

 

Target iqn.2008-05.com.example.iscsi:storage.disk1.dev

Lun 0 Path=/dev/sdb1

Lun 1 Path=/dev/sdb2

 

 

(6)iscsi-targetを起動します。

 

 

# service iscsi-target start

 

 

(7)実際にiSCSIディスクとして起動しているかは、以下のコマンドで確認可能です。

 

 

# cat /proc/net/iet/volume

tid:1 name:iqn.2008-05.com.miraclelinux.iscsi:storage.disk1.dev

lun:0 state:0 iotype:fileio iomode:wt path:/dev/sdb1

lun:1 state:0 iotype:fileio iomode:wt path:/dev/sdb2

 

 

 

2.iSCSIイニシエーターの設定(※以下はイニシエーターとなるサーバーでの設定です。)

 

(1)iSCSIイニシエーター名を取得します。

 

出力結果はコマンド実行毎に異なります。

 

# iscsi-iname

iqn.2005-03.com.redhat:01.f65236c18f7

 

 

(2)iSCSIイニシエーター名を設定します。

 

対象ファイル:/etc/iscsi/initiatorname.iscsi

 

InitiatorName=iscsi-inameコマンドを実行して出力された値

 

 

実際の記述例:

 

InitiatorName=iqn.2005-03.com.redhat:01.f65236c18f7

 

 

(3)iSCSIイニシエーターを起動します。

 

 

# service iscsi start

 

 

(4)iSCSIターゲットとなるサーバーを探します。

 

 

# iscsiadm -m discovery -t sendtargets -p iSCSIターゲットのIPアドレス

 

 

コマンド例(成功すると、ターゲット名が表示されます):

 

# iscsiadm -m discovery -t sendtargets -p 192.168.0.10

192.168.0.10:3260,1 iqn.2008-05.com.miraclelinux.iscsi:storage.disk1.dev

 

 

(5)iSCSIイニシエーターを再起動します。

 

 

# service iscsi restart

 

 

 

(6)実際に、ディスクとして認識できたかは、fdiskコマンドで確認してください。

 

正しく認識できていれば、SCSIのディスクとして表示されます。

(今回はsdcsddとしてiSCSIのディスクが認識されました。)

 

# fdisk -l

・・・・・・

Disk /dev/sdc: 10.2 GB, 10248666624 bytes

64 heads, 32 sectors/track, 9773 cylinders

Units = cylinders of 2048 * 512 = 1048576 bytes

 

Device Boot Start End Blocks Id System

 

Disk /dev/sdd: 10.2 GB, 10248698880 bytes

64 heads, 32 sectors/track, 9773 cylinders

Units = cylinders of 2048 * 512 = 1048576 bytes

 

Disk /dev/sdd doesn't contain a valid partition table

 

 

 

[更新履歴]

2008年 6月 13日 新規作成