Install Navigator for Oracleを使用した、Oracle Database
10gのインストール方法について解説します。なお、ここではOracle Database 10g Release 1
(10.1.0)を使用します。詳細につきましては、Oracle Database
10gのインストレーションガイドやリリースノートをご覧ください。
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準備
Oracle のインストール作業に入る前に、以下のものを準備してください。またOracleに付属の「リリースノート」には、制限事項や注意事項が記載されているので、必ず目を通してください。
- Oracle CD-ROM (Database CD)を用意する。
Oracle Database 10gには、複数のCD-ROMがあります。本書ではDatabase CDを想定しています。
- Oracle インストール用アカウント名 を決めておく。
デフォルト値は oracle です。アカウントの作成は不要です。
- Oracle インストール用グループ名 を決めておく。
デフォルト値は oinstall です。グループの作成は不要です。
- Oracle データベース管理者用グループ名を決めておく。
デフォルト値は dba です。グループの作成は不要です。
- 作成する Oracle データベースの SID を決めておく。
デフォルト値は orcl です。
- Oracle データベースを格納する場所 ( パス名 ) を決めておく。
Oracle Database 10g Release 1(10.1.0) の場合の既定値は
/opt/app/oracle/product/10.1.0/db_1 です。
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インストール要件を確認する
Oracle10g Databaseをインストールするには、下記の要件を満たしている必要があります。
メモリ |
512MB以上 |
ディスク空き容量 |
ソフトウェア・ファイル用:2.5GB(Commpanion CDオプション製品:1GB)
データベース・ファイル用:1.2GB /tmpに400MB以上※ |
スワップ領域 |
1GBまたは搭載メモリの2倍(搭載メモリが2GB以上の場合は、1〜2倍) |
※ /tmpが不足しているときの対応策
/tmpの空きディスク容量が不足しているときには、環境変数TEMPとTMPDIRに、空きがあるディレクトリを指定することで、この問題を回避でき
ます。ただし、Install Navigator for
Oracleでは、内部的にoracleユーザーにsuしているので、rootユーザーに設定しても効果はありません。
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400MB以上空きがあるパーティションにディレクトリを作成します。
# mkdir /opt/tmp
# chmod 1777 /opt/tmp
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oracle ユーザーに環境変数TEMPとTMPDIRを追加します。「11.Oracle用の環境変数の設定」で[その他の環境変数に典型的な値を設定]のチェックを外します。これで環境変数を追加できるようになります。「14.他の環境変数の設定」で次の2つの環境変数を追加します。
TEMP=/opt/tmp
TMPDIR=/opt/tmp
また一度インストールに失敗したときには、oracleユーザーの.bash_profileに環境変数を追加します。
# su - oracle
$ vi .bash_profile
export TEMP=/opt/tmp
export TMPDIR=/opt/tmp
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Oracle CD-ROMのマウント
MIRACLE LINUXはCD-ROMを自動マウントします。そのため手動でのマウント操作は不要です。もし自動的にマウントされないときには、root でログインして、次のコマンドを実行してください。
$ su -
# mount /mnt/cdrom
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Install Navigator for Oracle の起動
Install Navigator for Oracle を起動するには、root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# oranavi &
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項目の選択
Install Navigator for Oracle の起動画面が表示されます。
- Oracle DBMS のインストール
Oracle データベースのインストールを行います。
- Oracle iAS(Application Server) のインストール
Oracle アプリケーションサーバーのインストールを行います。
- Oracle データベース自動起動/停止の設定
Oracle データベースの起動/停止と、システムの起動/停止が連動するように設定します。
実行する項目を選択し、[次] をクリックしてください。
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ソースメディアの選択
Oracleのインストールメディアを指定します。ローカルマシンのハードディスク上、もしくはネットワーク上のほかのマシンにあるときには、runInstallerのあるディレクトリを指定します。
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画面をクリックすると
「ソースメディアの選択」画面の
拡大画面が表示されます。
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バージョンの確認
インストールしようとするOracle製品のバージョンが表示されます。このままでよいときには[OK]をクリックします。インストールしようとしているものではないときには、[キャンセル]をクリックします。
インストールしようとするバージョンであることを確認して
[OK] をクリックします。
もし、インストールしようとしていたものではない場合には、
[キャンセル] をクリックしてください。
「ソースメディアの選択」画面に戻ります。
[キャンセル] をクリックすると、
[CD-ROM] を選択していた場合には正しい CD-ROM の挿入を促す
画面が表示されます。
正しい CD-ROM を CD-ROM ドライブに入れ、[OK] をクリックします。
この画面で
[キャンセル] をクリックすると、「ソースメディアの選択」画面に戻ります。
[ハードディスク] を選択していた場合には正しい「パス」の入力を促す
画面が表示されます。
[OK] をクリックすると「ソースメディアの選択」画面に戻ります。
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ユーザーアカウント情報の入力
Oracle のユーザーアカウント情報入力画面が表示されます。
- インストール用グループ
Oracle のインストール用グループ名です。
既定値として「 oinstall 」が設定されています。
- 管理者用グループ
Oracle の管理者用グループ名です。
既定値として「 dba 」が設定されています。
- ユーザー名
Oracle のインストールおよび管理用ユーザー名です。
既定値として「 oracle 」が設定されています。
必要に応じて内容を修正して、[次] をクリックします。
前の画面の入力情報から修正したい場合には、[前] をクリックします。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
- 同じ名前のユーザーが既に存在するときには、
警告画面が表示されます。
既存のユーザーを利用してよければ [OK] をクリックしてください。
ただし、そのユーザーは少なくとも「dba」グループに属している必要があります。
他のユーザー名を使用する場合は [キャンセル] をクリックします。
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ユーザー属性情報の入力
Oracle のユーザー属性情報入力画面が表示されます。
- パスワード
ユーザー名に対するパスワードを設定します。
- パスワード(再入力)
パスワードの確認のため再度同じパスワードを入力します。
- ホームディレクトリ
ユーザーのホームディレクトリを設定します。
既定値として「/home/ユーザー名」が設定されています。
必要があれば修正して、[次] をクリックします。
前の画面の情報を修正したい場合は、[前] をクリックします。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
- パスワードが入力されていない場合には、エラーが表示されます。
[OK] をクリックして、
パスワードを2回入力してください。
- 2回入力されたパスワードが一致しない場合には、エラーが表示されます。
[OK] をクリックして、
もう一度パスワードを2回入力し直してください。
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Oracle 用の環境変数の設定
Oracle 用の環境変数入力画面が表示されます。
- ORACLE_BASE
Oracle データベースの基本となるディレクトリです。
- ORACLE_HOME
Oracle のソフトウェアを格納するディレクトリです。
ORACLE_BASE 配下のディレクトリ名を指定します。
【注
意】oranaviで設定するORACLE_HOMEのデフォルト値は/opt/app/oracle/product/10.1.0/db_1にしてお
りますが、Oracle Database 10g
(10.1.0.3)のインストーラ(OUI)で設定されるデフォルト値は/opt/app/oracle/product/10.1.0/Db_1
(db_1とDb_1の違い)になっています。よって10.1.0.3では、これらのパスが同じになるようにこの設定を
/opt/app/oracle/product/10.1.0/Db_1に変更してください。10.1.0.3より前のOracle
Database 10gでは、どちらも/opt/app/oracle/product/10.1.0/db_1になっています。
- ORACLE_SID
同一コンピュータ上でデータベースをユニークに認識するための名前です。
NLS_LANG 等、他の環境変数を独自に設定したい場合は、[その他の環境変数に典型的な値を設定します] をクリックしてチェックをはずしてください。
必要があれば修正を行って、[次] をクリックします。
前の画面の情報を修正したい場合は、[前] をクリックします。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
[その他の環境変数に典型的な値を設定します] を選択した場合には(既定値)、
「Apache 用の環境変数の設定」に進みます。
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NLS_LANG の設定
Oracle 用の環境変数 NLS_LANG 設定画面が表示されます。
表示されているものから選択する場合はその値をクリックし、表示されているもの以外に設定したい場合は、[その他] をクリックして入力欄に値を入力して、[次] をクリックします。
NLS_LANG設定のヒント
「NLS_LANG=Japanese_Japan.JA16EUC」と設定した場合、日本語のメッセージが選択されるため、コンソール上で
Oracleを使用すると文字化けが発生します。これはX-Windowを起動する前の標準コンソールが日本語に対応していないためです。konを使用す
ればコンソール上でも日本語を表示できますが、データベースの自動起動/停止時のメッセージは、コンソール上に出力されるため、やはり文字化けは発生して
しまいます。この文字化けは表示上の話しですので、使用上の問題はありません。また起動/停止時のログは /var/log/boot.log
に保存されますので、あとで確認することもできます
メッセージを英語にすることで、自動起動/停止時の文字化けの問題を回避できます。メッセージを英語表示にするときには、NLS_LANGに次のいずれかの値を設定します。
- American_America.JA16EUC
- American_Japan.JA16EUC
ただし前者の場合、地域(NLS_LANGの2番目の部分)もAmericaになっているので、日付のデフォルト表示形式が欧米形式になり、次のような
SQL文は失敗します。この問題を回避するには、DATE型カラムへのインサートにTO_DATE関数を使用する方法があります。
insert into foo values('02-12-31')
また後者のように、言語(NLS_LANGの先頭部分)だけをAmericanにすることによって、メッセージだけを英語にして、日付などの表示はYYMMDDのような日本形式を使用することもできます。
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Oracle 用の環境変数の追加
追加される Oracle 用の環境変数のリストが表示されます。
表示された環境変数の設定を .bash_profile に追加してもよい場合は、
[はい] が選択されている状態(既定値)で [次] をクリックします。
既に示された環境変数の設定が追加されている場合は、
[いいえ] をクリックしてから [次] をクリックします。
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他の環境変数の設定
他の環境変数の定義を設定することができます。
左の欄に設定したい環境変数名を入力し、
右の欄にその環境変数に設定したい値を入力します。
設定したいすべての環境変数(最大8個)の名前と値を入力したら、
[適用] をクリックしてから、[次] をクリックします。
設定する環境変数がない場合は、[次] をクリックしてください。
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環境変数の確認
設定される環境変数の一覧が表示されます。
確認して [OK] をクリックします。
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Apache 用の環境変数の設定
Oracle データベースのための環境変数を Apache の設定ファイルに追加します。
追加してよければ [はい] が選択されている状態(既定値)で
[次] をクリックします。
既に Oracle をインストールしてある等、
Apache の設定に定義を追加する必要がない場合は
[いいえ] をクリックしてから [次] をクリックします。
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Oracle のインストール確認
Oracle DBMS のインストールを開始するかどうかの確認画面が表示されます。
すぐにインストールを開始する場合は [次] をクリックします。
もう一度設定項目等を確認したい場合は [前] をクリックします。
インストールを開始する前に他の設定等を行う場合は [閉じる] をクリックします。
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Oracle Universal Installerの起動
Oracle Universal Installerが起動します。[次へ]をクリックして、先に進みます。
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インベントリの場所・UNIXグループの指定
インベントリを格納するディレクトリを指定すると共に、Oracle データベースのインストール管理者用のグループ名を指定します。一般には「oinstall」を指定します。入力し終わったら [次へ] をクリックします。
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orainstRoot.shの実行
このコンピュータにはじめてOracleをインストールするときには、rootユーザーで、$ORACLE_BASE/orainstRoot.shを実行するように表示されます。コンソールを起動し、次のシェルスクリプトを実行します。
# /opt/oracle/orainstRoot.sh
シェルスクリプトが終了したら、[続行]ボタンをクリックします。
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インストール先ディレクトリの確認
Oracleのインストール元とインストール先のディレクトリが表示されます。通常は、このまま[次へ]をクリックして、先に進みます。
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インストールタイプの選択
インストールするタイプを選択します。ここでは[Enterprise Edition]を選択します。
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製品固有の前提条件のチェック
インストールしてあるパッケージやカーネルパラメータを自動的にチェックします。次へボタンをクリックしてください。
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データベース構成の選択
インストールで作成するデータベースのタイプを選択します。ここでは[汎用目的]を選択します。
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グローバルデータベース名、SIDの入力
グローバルデータベース名とデータベースのSIDを入力します。SIDには、環境変数ORACLE_SIDに指定した値、グローバルデータベース名には、SID+ドメイン名を指定します。
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データベース管理オプションの選択
Oracle Enterprise Manager のタイプを選択します。ここではローカル管理を行う Database Control を選択します。
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データベースの保存方法の選択
データベースの作成に使用する保存方法を選択します。ここでは[ファイルシステム]を選択します。
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自動バックアップの指定
データベースで自動バックアップを有効にするか選択します。ここでは自動バックアップを使用しません。
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スキーマ・パスワードの指定
初期データベースでも必要となる管理用スキーマのパスワード設定を行います。
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Oracle インストールサマリ
インストールするモジュールの一覧が表示されます。これでよいときには[インストール]をクリックしてください。インストールが開始されます。
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構成ツールの実行
各種構成ツールが自動的に起動されます。順調に進んでいるときには、このまま何もしなくても大丈夫です。
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Database Configuration Assistantの実行
各構成ツールが順調に終了すると、Database Configuration Assistantが自動的に起動しデータベースを作成します。
データベースの作成が終わると次の画面が表示されます。[OK]をクリックしてウィンドウを閉じます。
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root.shの実行
すべての作業が終わると、root.shを実行するように表示されます。画面の指示に従って、rootユーザーでroot.shを実行します。
# /opt/app/oracle/product/10.1.0/db_1/root.sh
コンソール上での実行が終了したら、「セットアップ権限」ウィンドウの[OK]ボタンをクリックします。
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インストールの終了
これでインストールは終了です。[終了]をクリックして、インストーラーを終了します。