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カテゴリ:カーネル
2007/01/11
カーネルパッケージのアップデートについて(MIRACLE LINUX V2.1 Standard Edition Update3 以降)
Standard Edition V2.x 対応

[質問]

カーネルパッケージのアップデート方法を教えてください。

[対象となる製品のバージョン]

MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1 Update3 以降

[対象となるパッケージ]

kernel

[回答]

アップデート手順は MIRACLE LINUX の各バージョンにより異なりますので、ご使用のMIRACLE LINUX のバージョンをご確認ください。

本記事は、MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1 Update3 以降の バージョンについてのご案内となります。

また、本記事では、以下の構成を例としてご案内しております。 バージョン番号などはお客様の環境にあわせて適宜お読み変え下さい。

  • SMPカーネルをインストールして運用
  • アップデート前のカーネルのバージョンは 2.4.9-e.25.60ml
  • アップデート後のカーネルのバージョンは 2.4.9-e.25.98ml

注) 緊急時用ブートディスクについて

旧バージョンでは、カーネルアップデートの際、緊急時用ブートディスクの作成をお勧めしておりましたが、現行のバージョンでは、作成した緊急時用ブートディスクのイメージが、フロッピーディスクに収まり切らない場合があり、お勧めしておりません。

また、緊急時用ブートディスクの機能はインストール CD のレスキューモードにて代用頂けます。
インストール CD のレスキューモードのご使用方法につきましては下記の記事をご参照下さい。

  [FAQ] インストール CD をレスキューディスクの代替として使用する方法

1. パッケージの確認

    インストールされているカーネルパッケージを確認します。
    #rpm -qa | grep kernel
    kernel-2.4.9-e.25.60ml
    kernel-smp-2.4.9-e.25.60ml
    kernel-headers-2.4.9-e.25.60ml
    kernel-doc-2.4.9-e.25.60ml
    kernel-source-2.4.9-e.25.60ml
    

2. カーネルパッケージの入手

    上記で確認した全てのパッケージについて、アップデート情報ページより目的のバージョンのパッケージを入手します。

    今回の例では、2.4.9-e.25.98ml が目的のバージョンとします。
    また、入手したパッケージを /tmp/kernel に置くことにします。

    # ls /tmp/kernel
    kernel-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    kernel-smp-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    kernel-headers-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    kernel-doc-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    kernel-source-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    
    注)必要に応じて個々のパッケージを入手・更新することも可能ですが、出来る限りすべてのパッケージのバージョンを同じにすることをお勧めします。

3. パッケージのインストール

    rpm コマンドを使用してパッケージのインストールを行います。

    カーネルのアップデートでは、新しいバージョンで問題が生じた場合の対処の為、古いバージョンのパッケージは残し、目的のバージョンを追加することをお勧めします。
    そのため、rpm コマンドでは、下記の様に、にオプション -ivh を付け実行します。

    # cd /tmp/kernel
    # rpm -ivh kernel-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    kernel-smp-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm kernel-source-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    Preparing...                ###########################################
    [100%]
       1:kernel                 ###########################################
    [ 33%]
       2:kernel-smp             ###########################################
    [ 66%]
       3:kernel-source          ###########################################
    [100%]
    
    また、パッケージの構成により古いバージョンを残し、追加することが出来ないパッケージについては、下記の様にrpm コマンドにオプション -Fvh を付けアップグレードを行います。
    # rpm -Fvh  kernel-doc-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    kernel-headers-2.4.9-e.25.98ml.i686.rpm
    Preparing...                ###########################################
    [100%]
       1:kernel-doc             ###########################################
    [100%]
       2:kernel-headers         ###########################################
    [100%]
    

手順4. lilo の更新

    現行バージョンでは、パッケージの追加にて/etc/lilo.conf にエントリが自動的に追加されます。また、新しいカーネルで起動できるよう /etc/lilo.conf を変更します。

    下記が変更例となります。「default=」の設定値に目的のバージョンのイメージラベルをご指定下さい。(赤字の箇所)

    ○ 編集例

    boot=/dev/sda
    map=/boot/map
    install=/boot/boot.b
    prompt
    timeout=50
    linear
    default=e.25.98mlsmp
    
    image=/boot/vmlinuz-2.4.9-e.25.98mlsmp
            label=e.25.98mlsmp
            initrd=/boot/initrd-2.4.9-e.25.98mlsmp.img
            read-only
            root=/dev/sda5
    
    image=/boot/vmlinuz-2.4.9-e.25.98ml
            label=e.25.98ml
            initrd=/boot/initrd-2.4.9-e.25.98ml.img
            read-only
            root=/dev/sda5
    image=/boot/vmlinuz-2.4.9-e.25.60mlsmp
            label=linux-old
            initrd=/boot/initrd-2.4.9-e.25.60mlsmp.img
            read-only
            root=/dev/sda5
    
    image=/boot/vmlinuz-2.4.9-e.25.60ml
            label=linux-up-old
            initrd=/boot/initrd-2.4.9-e.25.60ml.img
            read-only
            root=/dev/sda5
    
    設定を反映させる為、/etc/lilo.conf 変更後、下記コマンドを実行します。
    # /sbin/lilo -v
    

手順6. マシンの再起動

    新しいカーネルでマシンを起動をする為、再起動を行います。

    # shutdown -r now
    

    注)mkinitrd などのコマンドは、rpm コマンドによって実行されるので、新たに 実行する必要はありません。

    マシン再起動後、カーネルが新しいバージョンになっていることを確認します。

    # uname -r
    2.4.9-e.25.98mlsmp
    

    マシン再起動時に新しいカーネルで問題のある場合は、システムを再起動しLILOの画面にて、古いカーネルのイメージラベル(linux-old)を選択して起動し問題の解決を行ってください。

[参考資料]

[FAQ] インストール CD をレスキューディスクの代替として使用する方法
[FAQ] カーネルパッケージのアップデートについて(MIRACLE LINUX V2.x)

[更新履歴]

2007/01/11 新規作成


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