[問題]
Oracle 9.2.0.5用 Patch 4055942適用時の注意事項
[対象となる製品のバージョン]
MIRACLE LINUX Standard Edition V2.x
[対象となるパッケージ]
kernel
[問題詳細]
Oracle9i Database Release 2 (9.2.0.5)にPatch 4055942を適用する場合、Patchに含まれるREADME.txtファイルに以下の要件が記述されています。
# Patch Installation Instructions:
# --------------------------------
#
# NOTE:
# Please make sure that you have the right kernel
# installed when it is RHAS2.1. Red Hat released e.57
# recently which has a fix for the diagnostics patch
# and segfaults. Please insure that you update the
# kernel to e.57 before applying the patch.
この部分において、Red Hat Advanced Server V2.1(RHAS2.1)でkernel-2.4.9-e.57 が要求されている理由をご説明します。
OracleのPatch 4055942を適用することで、oracleがリンクするpthreadライブラリのバージョンが2.2.5から2.4.1になります。これに伴い、以前から潜在していた以下のkernelの問題が顕在化します。
LDTの不適切なリセット
カーネルの処理において、LDT (ローカルディスクリプタテーブル) を意図しないタイミングで、リセットしている不具合がありました。
LDT は、x86 アーキテクチャの glibc の Linux pthread ライブラリにおいてmodify_ldt(2) システムコールを利用してスレッド固有の値を管理するために用いられているため、この問題が影響して pthread ライブラリを利用したアプリケーションが不具合を起こす可能性があります。
このkernelの問題が修正されたRHAS2.1のkernelバージョンが2.4.9-e.57になります。
MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1(以下ML2.1)でも、同様のバージョン要求がありますので、ご注意ください。
[対策方法]
ML2.1ではこの問題はkernel-2.4.9-e.25.84mlで修正されています。
よって、OracleのPatch4055942を適用する際には、必ずこのバージョン以降のカーネルをダウンロードしてアップデートしてください。
→ kernel-2.4.9 アップデート
[備考]
ML2.1でOracle Database 10gを運用する際も、同様の問題が発生することがあります。
→ MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1でOracle Database 10gを運用するときのpthreadライブラリの問題
[更新履歴]
2005年2月10日 新規作成
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