magic SysRq keyについて

[概  要]

本ドキュメントでは、magic SysRq key(Magic System Request Key)の設定および使用方法について説明します。

 

 

[注意事項]

本ドキュメントは、各ソフトウェア開発元の情報およびマニュアル等を元にした参考情報です。

本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。

 

本ドキュメントは、限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、全ての環境での動作を保証するものではありません。

本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、運用を行なったことにより損害が生じた場合でも、弊社はその損害についての責任を負いません。あくまでお客様のご判断にてご使用ください。

 

[SysRqとは]
SysRqとは、Linuxサーバが何らかの障害でキーボード操作不可能となり、Shellのコマンド入力ができない状態に陥った場合などに、カーネルが機能していれば、特定のキーを押すことで割り込み処理を行い、カーネルに特定の動作をさせることができる機能です。
[SysRq]キーはキーボード上にあるキーですが、サーバがキー入力ができない状態でも動作します。

[SysRq]キーは通常のキーボードでは、[Alt]+[Print Screen]の組み合わせが該当します。

 

[設定方法]

magic SysRq keyの設定を有効にする手順を示します。以下の手順はAsianux Server 3で確認を行っています。

      

1./etc/sysctl.confファイルの、"kernel.sysrq" の値を1 に設定します。

 

[変更前]

kernel.sysrq = 0

 

[変更後]

kernel.sysrq = 1

 

2.設定を有効にするために、以下のコマンドを実行します。

 

 

# sysctl -p

 

 

 

[使用方法]

SysRqの機能を使うには、コンソールから [SysRq]+[コマンドキー]を押します。

[SysRq]キーは通常のキーボードでは、[Alt]+[Print Screen]が該当します。

(コマンドキーについては、後述の一覧をご確認ください。)

 

[設定方法]の手順で設定を行った後、設定が有効になっているかを確認します。
[SysRq]+Enterキーを押してください。
設定が有効であれば以下のメッセージがコンソール画面に出力されます。

 

 

SysRq : HELP : loglevel0-8 reBoot Crash tErm kIll saK showMem powerOff showPc unRaw Sync showTasks Unmount shoWcpus

 

 

 

[コマンドキー]
SysRqキーと組み合わせるコマンドキーには、以下のようなものがあります。

 

キーの種類 SysRqヘルプ表示 動作内容
0-9 loglevel0-8 ログレベル操作 (/proc/sys/kernel/printk と同じ)
b reBoot システムリブート
c Crash カーネルパニックを発生させる
e tErm init以外の全プロセスにSIGTERMシグナル送信
i kIll init以外の全プロセスにSIGTERMシグナル送信
k saK 仮想端末上の全プロセスにSAK(Secure Attention Key)を実行
m showMem メモリ情報表示
p showPc カレントプロセスの情報(バックトレース)表示
r unRaw キーボードrawモードをXLATEに設定
s Sync マウントされている全ファイルシステムのsync
t showTasks 全プロセスの情報(バックトレース)表示
u Unmount readonlyで全ファイルシステムの再マウント
w shoWcpus 全CPUのコールトレース情報表示
 

 

キーボードからコマンドを入力できない場合には、[SysRq]キーを押したまま、[s]、[u]、[o]キーを順番に押すと、電源ボタンを直接押すよりも安全にシャットダウンすることができます。
再起動する場合には、[SysRq]キーを押したまま、[s]、[u]、[b]キーを順番に押します。

 

また、コマンドキー [m][p][t][w]は、障害の解析情報に使用することができます。

 

magic SysRq keyの詳細については、以下のドキュメントをご参照ください。

  

[更新履歴]

2008年 3月 3日 新規作成