MIRACLE

メールサービス申込 ユーザー登録&ログイン パートナー情報
お問い合わせ FAQ サイトマップ
MIRACLE LINUXの特長 製品紹介 サービス案内 購入 サポート 技術フォーラム

テクノロジー情報

カテゴリ:Oracle
2004/06/30
Oracle Database 10g Release 1 (10.1.0)のインストール方法(ML3.0)
MIRACLE LINUX V3.0 対応

[問題]

Oracle Database 10g Release 1 (10.1.0)のインストール方法(ML3.0)

[対象となる製品のバージョン]

 MIRACLE LINUX V3.0

[対象となるパッケージ]

Oracle Database 10g Release 1 (10.1.0)

[説明]

 このFAQでは、MIRACLE LINUX V3.0にOracle Database 10g Release 1 (10.1.0)をインストールする方法について説明します。インストールする方法としては、次の2つの方法があります。

  • Install Navigator for Oracleを使う方法
  • Install Navigator for Oracleを使わない方法

 このFAQではInstall Navigator for Oracle(以下、oranavi)を使わない方法について説明します。oranavi を使う方法につきましては、oranaviを起動すると表示されるドキュメントをご覧下さい。

※Install Navigator for Oracleとは、Oracle製品のインストールを支援するユーティリティです。とても簡単にOracleをインストールできるのでお勧めです。

インストールの手順

 インストールは下記の手順で行います。この文書では、おもにOSのインストールからOracle Universal Installerの起動までについて説明します。Oracle Universal Installerが起動してからについては、下記のOracle製品マニュアルをご覧ください。

  • Oracle Database インストレーション・ガイド 10g リリース1(10.1)for UNIX Systems
  • Oracle Database クイック・インストレーション・ガイド 10g リリース1(10.1) for Linux x86
    ※[Red Hat Enterprise Linux ES/AS 3] を、[MIRACLE LINUX V3.0] に置き換えて参照して下さい。
  1. OS のインストール
  2. ハードウェア要件の確認
  3. ソフトウェア要件の確認
  4. カーネルパラメータの確認
  5. シェル制限の確認
  6. インストールユーザーおよびグループの作成
  7. インストール先ディレクトリの作成
  8. 環境変数の設定
  9. Oracle Database 10gのインストール
  10. インストール後の設定

実際のインストール作業

  1. OS のインストール

     インストレーションガイドに従ってインストールします。インストールの種類では「すべて」などを選択してください。また、ハードウェア要件は下記の通りです。ディスクパーティション設定の際には、注意してください。

    項目内容
    搭載メモリ512MB以上
    空きディスク領域2.5GB以上(バイナリ:1.5GB。DB:1.0GB)。コンパニオンをインストールするためにはさらに1GB以上。
    スワップ領域1GBもしくは搭載メモリサイズの2倍。2GB以上のメモリを搭載しているシステムでは、メモリサイズの1から2倍
    その他/tmpに400MB以上の空きディスク領域

  2. ハードウェア要件の確認

     Oracle Database 10gをインストールするには、前記のハードウェア要件を満たす必要があります。それぞれについて確認します。

     搭載メモリとスワップサイズは、次のコマンドで調べられます。MemTotalが搭載メモリで、SwapTotalがスワップです。

    $ cat /proc/meminfo
            total:    used:    free:  shared: buffers:  cached:
    Mem:  1052545024 1036943360 15601664 179281920 191262720 573591552
    Swap: 542826496 32862208 509964288
    MemTotal:      1027876 kB
    MemFree:         15236 kB
    MemShared:      175080 kB
    Buffers:        186780 kB
    Cached:         543004 kB
    SwapCached:      17144 kB
    Active:         587336 kB
    Inact_dirty:    326404 kB
    Inact_clean:      8268 kB
    Inact_target:   256936 kB
    HighTotal:      131008 kB
    HighFree:        11524 kB
    LowTotal:       896868 kB
    LowFree:          3712 kB
    SwapTotal:     2030104 kB
    SwapFree:       498012 kB
    BigPagesFree:        0 kB
    

     Oracleをインストールするパーティションにハードウェア要件を満たす空きがあることを確認します。

    $ df -h
    Filesystem            Size  Used Avail Use% Mounted on
    /dev/sda5              26G   21G  3.7G  85% /
    /dev/sda1              68M   11M   54M  16% /boot
    

     同様に/tmpを含むパーティションに400MB以上の空きがあることを確認します。空きがないときには、TEMP環境変数を使って回避できます。

    $ df -h /tmp
    Filesystem            Size  Used Avail Use% Mounted on
    /dev/sda5              26G   21G  3.7G  85% /
    

  3. ソフトウェア要件の確認

     MIRACLE LINUX V3.0 に Oracle Database 10g をインストールする際のソフトウェア要件は以下の通りで、これらのパッケージはすべてMIRACLE LINUX V3.0 に同梱されています。

     ・gcc-3.2.3-2
     ・compat-db-4.0.14.5
     ・compat-gcc-7.3-2.96.122
     ・compat-gcc-c++-7.3-2.96.122
     ・compat-libstdc++-7.3-2.96.122
     ・compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.122
     ・openmotif-2.2.2-16
     ・setarch-1.3-1

     次コマンドでインストール済みパッケージを確認します。

    # rpm -q \
    gcc-3.2.3-2
    compat-db-4.0.14.5
    compat-gcc-7.3-2.96.122
    compat-gcc-c++-7.3-2.96.122
    compat-libstdc++-7.3-2.96.122
    compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.122
    openmotif-2.2.2-16
    setarch-1.3-1
    
  4.  

    MIRACLE LINUX V3.0 をカスタムインストールする場合、compat-dbパッケージは「その他」の項目から明示的にcompat-dbを選択していただく必要があります。

    OSインストール後に、不足しているパッケージがある場合には、以下の手順でインストールCD-ROMからインストールを行います。

    # mount /mnt/cdrom
    # cd /mnt/cdrom/Asianux/RPMS
    # rpm -ivh compat-db-4.0.14.5
    

  5. カーネルパラメータの設定

     MIRACLE LINUXのカーネルパラメータはOracleに最適化されています。そのため特に変更する必要はございません。

     カーネルパラメータを確認するには/etc/sysctl.confファイルを参照して下さい。

    # vi /etc/sysctl.conf
    kernel.msgmnb = 65535
    kernel.msgmni = 2878
    kernel.sem = 256 32000 100 142
    kernel.shmmax = 2147483648
    fs.file-max = 131072
    fs.aio-max-size = 2147483648
    net.ipv4.ip_local_port_range = 1024 65000
    

    設定ファイル変更の際には、「sysctl -p」で、設定した値を動的に有効にします。

    # sysctl -p
    

  6. シェル制限の設定

     シェル制限とは、ユーザーごとの最大プロセス数や最大オープンファイル数など、ユーザーごとに設定する制限値です。MIRACLE LINUX V3.0 では、シェル制限はあらかじめ設定されています。/etc/security/limits.confに、次の内容が設定されていることを確認してください。
    rootユーザーが変更できる上限値のハードリミットと、一般ユーザーが変更できる上限値のソフトリミットがあります。

    # vi /etc/security/limits.conf
    
    *               hard    nproc   16384
    *               soft    nofile  2048
    *               hard    nofile  65536
    

  7. インストールユーザーおよびグループの作成

     このセクションではOracleオーナーとなるユーザーおよびグループを作成します。今回は次の条件でインストールします。

      項目
      Oracleオーナーoracle
      Oracleインストール用グループoinstall
      Oracle管理者用グループdba
      グローバルデータベース名orcl
      Oracleのインストール先/opt/app/oracle
      データベースの作成先/opt/app/oracle/oradata

     インストール用ユーザーグループ「oinstall」と管理者用グループ「dba」を作成します。

    # groupadd oinstall
    # groupadd dba
    

     oracleユーザーを作成します。作成したらパスワードも設定します。

    # useradd -g oinstall -G dba oracle
    # passwd oracle
    Changing password for user oracle
    New password:<ここにパスワードを入力>
    Retype new password:<同じパスワードを入力>
    passwd: all authentication tokens updated successfully
    

  8. インストール先ディレクトリの作成

     Oracleのインストール先ディレクトリを作成します。今回はORACLE_BASEを/opt/app/oracleとしていますが、/u01/app/oracleや/opt/oracleなどでも構いません。

    # mkdir -p /opt/app/oracle
    # chown oracle:oinstall /opt/app/oracle
    # chmod 775 /opt/app/oracle
    

  9. 環境変数の設定

     Oracle Database 10gに必要な環境変数をoracleユーザーに設定します。Oracle9i Databaseでは、ORACLE_HOMEやNLS_LANGなども設定していましたが、Oracle Database 10gでは、インストール時にはORACLE_BASEとORACLE_SIDだけになりました。それ以外の環境変数は、インストール後に設定します。

     また、これまではrootユーザーで作業してきましたが、ここからはoracleユーザーで作業します。rootユーザーとはコマンドプロンプトが違うので注意してください。rootユーザーは"#"で、一般ユーザーは"$"です。

    $ cd
    $ vi .bash_profile
    
    export ORACLE_BASE=/opt/app/oracle
    export ORACLE_SID=orcl
    ulimit -n 65536 >/dev/null 2>&1
    ulimit -u 16384 >/dev/null 2>&1
    

     設定した値を有効にします。

    $ . .bash_profile
    

    ssh経由で接続したときのエラー

     ssh経由で接続すると、次のエラーが発生することがあります。

     bash: ulimit: cannot modify limit: Operation not permitted

     この原因は、ssh接続時に、/etc/security/limits.confの設定は反映されないからです。sshではセキュリティ確保のため、ssh経由で接続したプロセスに対し、そのユーザーが本来持っている権限以上の変更はできません。

     ssh経由でも/etc/security/limits.confの設定を有効にしたいときには、sshdの設定ファイルに次の1行を追加します。
    # vi /etc/sshd/sshd_config
    
    UsePrivilegeSeparation no
    
    
    sshdデーモンを再起動します。
    # service sshd restart
    
     ただし、この設定はセキュリティホールにつながる可能性があります。外部からアクセスできるサーバーには絶対に設定しないでください。

  10. Oracle Database 10gのインストール

     Oracle Database 10gのインストールのインストールを開始します。oracleユーザーでログインしてXウィンドウを起動します。インストール時には、rootユーザーも使用するので、ターミナルを2つ起動して、1つをrootユーザーにします。

    $ su -
    Password:
    

     Oracle Database 10gのCD-ROMをドライブにセットしてマウントします。

    # mount /mnt/cdrom
    

     ここからはoracleユーザーの作業です。ハードウェア要件の確認で、/tmpの空き容量が少ないときには、十分に空きのあるディレクトリを環境変数TEMP,TMPDIRに指定します。

    $ mkdir /opt/app/oracle/tmp
    $ export TEMP=/opt/app/oracle/tmp
    $ export TMPDIR=/opt/app/oracle/tmp
    

     ORACLE_HOMEやTNS_ADMINなどが設定されていないことを確認します。設定してあるときはunsetします。

    $ echo $ORACLE_HOME
    $ echo $TNS_ADMIN
    
    設定してあるときのみ実行:
    $ unset ORACLE_HOME
    $ unset TNS_ADMIN
    

     oracleユーザーでインストーラーを起動します。あとは画面の指示に従ってインストールします。詳細はOracleの製品マニュアルをご覧ください。

    $ /mnt/cdrom/runInstaller
    

  11. インストール後の設定

     インストールが終わったら画面の指示に従ってroot.shを実行します。それからOracle Universal Installerを終了します。ここではOracle Universal Installer終了後の作業について説明します。

     インストールのときにはORACLE_BASEとORACLE_SIDしか設定していなかったので、そのほかの環境変数も設定します。これで自由にSQL*Plusを起動できるようになります。前回よりも後ろの位置に追加してください。ORACLE_HOMEは、Oracle Universal Installerで設定したものを使用してください。デフォルトでは、$ORACLE_BASE/product/10.1.0/db_1です。

    $ cd
    $ vi .bash_profile
    
    export ORACLE_HOME=$ORACLE_BASE/product/10.1.0/db_1
    export NLS_LANG=Japanese_Japan.JA16EUC
    export PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH
    export LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:$ORACLE_HOME/lib
    

     設定した値を有効にします。これでインストール作業は終了です。あとはマニュアルなどを参考に操作してください。

    $ . .bash_profile
    

[参考資料]

 特に無し

[更新履歴]

 2004/07/13 修正
 2004/06/30 新規作成

会社情報 採用情報 個人情報保護方針 情報セキュリティ基本方針 商標等取り扱い事項 English
Copyright(c)2000-2013 MIRACLE LINUX CORPORATION. All Rights Reserved.